角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

3足でお出迎え。

2012年06月05日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ21cm土踏まず付き〔四阡二百円〕
角館草履の定番的配色といえる、紺とエンジの組み合わせです。紺の中でも明るい藍に近いですか。編みあがりも容易に想像できますし、なにしろ安定的にお買い上げいただける配色ですね。
ただしサイズは21cm、なかなか限られる大きさでしょう。

ゴールデンウィークが終わって間もなくの頃、お若い女性ふたりが草履コーナーに立ち止まりました。最初は草履の配色に目を留められたようですが、健康効果をご説明し試し履きされると、うちのおひとりはすぐにでも履きたいとのことで、展示品からお買い上げくださいました。
大型連休が終わったばかりで在庫は少なかったのですが、その中でも最もたくさん編んでおいた23cmというサイズが幸いしたものです。

そしてもうおひとりの女性、こちらの靴サイズは21.5cmとおっしゃいます。土踏まず付きの在庫品で最も小さいサイズが21cm、ちょうどこちらの女性がぴったりでした。ただしゴールデンウィークで完売したまま、まだ在庫を編むまでには至っていなかったんですね。
女性は『角館にはときどき来ますから、また寄ってみま~す』といってお帰りでした。

そして一週間ほど前、そのときの女性がお仕事のスーツ姿でお越しです。ときどき角館にお越しというのは、毎月の月末近くにお仕事の用事があったんですね。
お顔を見てすぐに分かったのはいいのですが、肝心の21cm草履はまだ「完売」の札が付いたままでした。
女性はまたもや、『また寄ってみま~す』。

角館の超繁忙期である桜まつりが終わってすぐは、手作り品の在庫が薄くなるのはやむおえないと思います。そしてゴールデンウィーク中のオーダーをお作りするのに、その後しばらく忙しいのも仕方ないと思います。けれども「タダ戻り」を許していただけるのは、二度が限界でしょう。

「今日の草履」を含め、今日現在2足の21cm草履が展示してあります。近いうちにもう1足編んで3足にし、仮に売れたらまたすぐ編むつもりです。今月の末に女性がご訪問されたときには、3足の草履から選んでいただくことにしましょう。

三度目のご訪問を3足でお出迎えする。せめてものお詫びと感謝です。
コメント
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