角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

変わり行くふるさと。

2012年06月04日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡四百円〕
先日届いたばかりの夏の新柄に、定番とは異なる赤の唐草プリントが入っていました。過去にも一度入荷した記憶があります。
ところどころに見える緑の葉っぱが、壁に絡まるツタを思い起こさせます。♪ツタのからま~るチャペ~ルで~。この歌は私よりもっと古い世代ですね。

東京からお越しのおじさま。草履コーナーから米蔵を見上げ、『いや~、中はこんなふうになってたのか~、知らなかったな~』。
詳しく聞いてみるとおじさまは旧神岡町のご出身で、角館高校を卒業しそのまま東京での生活が始まったんだそうです。それから40年ほどが経ち、機会あってこのたび角館をゆっくり歩いているという具合でした。

高校生時代角館の街中はよく歩いたでしょうが、西宮家が一般に公開されたのは今から12年ほど前。当然ながらおじさまが西宮家の内部を知る術はなかったわけです。
古い町並みを今に伝えるという文言は嘘でないにしても、この40年の間で商店街などの佇まいは大きく変わりました。おじさまが懐かしがっていた古くからの書店も、今は廃業しています。

数日前にも同じようなおじさまがお越しで、角館高校が移転したのさえご存知でありませんでした。今の時代3年や5年でも変わるときは大きく変わるのに、それが30年や40年となれば「浦島太郎」ですよ。

今夏開催の「50歳記念同期会」。少しずつ準備を進めてきて、案内状の一斉発送までこぎつけています。準備委員会では、『どれくらい集まるべが?』が一番の懸案。日常が多忙を極める年代ですから、そう多くは見込めないでしょう。

できるものであればですが、あまりご無沙汰しないうちにふるさとを訪ねて欲しいものです。400年にも及ぶ歴史とは言いながら、この50年ですらずいぶん変わったのも事実です。
コメント
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