角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

触れない話題。

2011年11月05日 | 実演日記




今日の草履は、横浜市緑区からお越しくださった母娘ペアさんの、お母さんのオーダー草履です。ちょうど同じ配色の草履を予約分として編んでいたとき、『あらっ、その色が素敵ねっ』とお母さん。もう1足分の布地がありましたから、すぐさまオーダーとなりました。
娘さんのオーダー定番配色⑧共々、本日の便で出発済みです。すぐに履いてくださいね~。

石原都知事が「黙れと一喝」。岩手県宮古市の震災がれきを東京都が受け入れたことに、都民から三千件にも及ぶ抗議が殺到したそうです。これに対して都知事が、『黙れと言えばいいんですよ。力のあるところが手伝わないでどうするんだ』と、会見で発言したんですね。
よそ様の自治体ではありますが、都知事に陰からガッツポーズを贈りたい心境です。

この問題は当地秋田県でも揺れていて、隣県である岩手沿岸からがれきの受け入れ要請がずいぶん前からあったようです。秋田県の佐竹知事は県内市町村に対し、受け入れについて打診をしました。結果はOKがゼロ、その理由は放射線量のデータが少ないことと、地元民の了解を得づらいというのが大半でした。

この話題は新聞にも数回掲載されていて、放射線量について岩手県側の測定では、問題なしとの見解と書かれていました。私に詳しいことは分かりませんが、岩手県からの調査報告では足りないというのが、秋田県側の言い分なんでしょうか。
記事の雰囲気では、知事もこれであきらめたわけではないように書かれていました。

同じ国民として、ましてや隣県人として、なんとかならないものかと案じています。確かに安い正義感だけでは、別の問題が起こる恐れもあります。そういうのを首長さんたちも苦心しているのでしょうが、助けを求めている人が隣りにいて、それに応えられないのは心が痛いですよ。

今日も岩手県から多くのお客様がお越しでした。昨日も今日も、盛岡市の男性から草履のオーダーを承っています。オーダーの場合、特に一定時間をおしゃべりに費やしますが、震災がれきの話題には触れない草履職人でありました。

コメント
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