角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

語られたくない人。

2009年02月15日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ22cm土踏まず付き〔四阡円〕
ピンク基調のカラフルな桜プリントをベースに、合わせは朱色基調の小花プリントです。こちらのベース生地もこのたびの東京仕入れのうち、「可愛らしさ」ではトップクラスと思います。華やかな色調は、やがてやって来る春爛漫を想わせますね。
平生地はこちらになります。




「今日の草履」は、横浜市からお越しくださったご夫婦の奥様がお持ち帰りです。22cmでお探しでしたから、出来上がったばかりの「今日の草履」をお勧めしてみました。『室内履きなんですから、足元を華やかにしません?』と言うと、『そうねっ、じゃあ出来立てホヤホヤをいただいて行くわっ!』。

配色に特段の希望がない場合、こうして私がお勧めした草履をそのままお決めになる方が多いです。「お店の人」=「プロ」というのが一般的な見方ですから、その道では「素人」のお客様が素直に聞き入れるのは自然でしょう。
そこで断言してイイのは、私の都合でひとつの草履をお勧めしたことはありません。まず一番に願うのは、中高年のおばさまには足元を明るく過ごしていただきたいということなんです。

業者あるいは店主の都合で商いをすれば、いずれ破綻するときがやってくると思います。過去に顧客が「騙された」として逮捕あるいは破綻した企業は、数知れずありました。そしてまた今度が「円天」、なんですか、この商売。
この会社の代表が逮捕される数時間前からの姿が放送されてましたが、あんな横柄でふてぶてしい人間に商いを語られたくはないですね。

まぁ、堅い話は良しとして、草履職人が本日をもって45歳を終えます。明日の誕生日から46歳として、また一年間生きていくことになりました。なんとめでたいことでしょう。
昨日の晩飯で私の誕生日の話になったのですが、食卓の雰囲気は実に冷めたものでした。そりゃあそうでしょ、草履職人はこんな人間ですから、語られたくはないですわなぁ。

コメント (8)
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