「なでしこ」 種から育てました どんな色か楽しみでした (11-5-12)
昨日は『神戸まつり』だったようですね。同じ震災を経験した神戸市からエールを
送ろうと「神戸から愛と元気を」を合言葉に掲げたそうです。東北地方の人たちに
とっても、地震と津波と言う違いはあっても、根本は同じ自然災害で家をなくして、
16年目必死に立ち直った神戸の人からの励ましは特別ではないでしょうか。
100万人を越える人出だったようです。本当にあの荒れ果てた神戸を知っている
私としては、故郷・神戸が頑張って、立ち直ってくれてほんとに嬉しい。東北を故
郷に持つ方々にも、今の私と同じ気持ちになっていただくように、前を見つめて生
かされた命を大切に、一歩一歩前進してください。命ある限り見守っております。
吉原十二月 松井今朝子
吉原の花魁二人、性格も生き方も対照的な「小夜衣(さよぎぬ)」と「胡蝶(こち
ょう)」のお話です。
廓には色んな催しや仕来りがあります。それを大籬(おおまがき・大店のこと)の
主人舞鶴屋庄右衛門の語り口で書かれています。
花魁にも色んな格があって、小夜衣、胡蝶は「呼出し昼三の花魁」である。これは
お昼のお座敷でも3分金かかるという、最高の花魁。
あの花魁の髪、月に一度しか洗わないそうですよ。なぜなら大きな髷を崩して結い
なおすのは大変だからだそうです。それで皆その日を楽しみにしていて、長い髪は
なかなか乾かないので禿が団扇で扇ぐのですが、そこそこ乾くまで身動きできない
ので、その日は昼見世はやすんで、各人は夕七ッ時(午後4時)から迎えるそうで
すが、その日は気分がいいので、大概の花魁はお馴染みの中でも深間のお相手を
選んで迎えるそうです。
『高き天から見れば、われら人間とて地に湧く蛆虫同然。一寸先は闇の世の中
を、なんだか分かったような顔をして、日々ぞわぞわとうごめいて居るばかりでし
て。いかなる知恵者も天の采配を見抜くことは出来ず、この世に生きる者はみな
天から垂れ下がった糸に引かれる操り人形のように振り回されてしまう。』
上の言葉は廓の世界の浮き沈みを舞鶴屋の主人の呟きなんですが、今の世の中も
同じですね。東日本大震災で使い古された「想定外」と言う言葉を思い出しません
か? 自然災害やそれに端を発する出来事は人間が想定したり、見抜くことなんて
出来ないものなのだ、と言うことです。
遠い昔に在った「廓」のお話、面白かったです。137回芥川賞・直木賞ダブル受
賞の「吉原手引草」を読んで、この本で2冊目です。
松井今朝子さんって、どんな方なんでしょうね? 江戸の吉原の研究家なんでしょ
うか? 興味深々です。
☆明日お休みします