「オスモキシロン」 宇治市植物園 (11-10-20)
「冬至? そうでしょう、なんだか肌寒いものね…」と感じるのが毎年。冬を
感じさせる言葉でした。それが今年の「今」は如何ですか? 「冬」どころか
「秋」も感じないのでは? やっぱり地球の温暖化は地球を狂わせているよ
うです。
タイの水も何時引くのでしょうね。又数日後に「大潮」が来るといいますし…。
観光地の象徴のような「暁の寺」等、美しい寺は今、如何なっているのでしょ
うか?
主人と初めて行った海外旅行が「タイ」だったんです。昔々のお話で、電車
なんって通っていませんでした。交通機関は「トクトク」でした。ビックリするほ
ど細い鉄骨で高層建築が建てられている頃で「地震が無いから、あれでいい
のよね~」と話していました。
早く水が引くと良いですね~。
見残しの塔 (周防国五重塔縁起) 久木綾子
久木さんのご本は2冊目です。8月に「禊(みそぎ)の塔」を読んだ時に、前作
がある事を知り、読んでみたいと思いました。それがこの作品です。
後書きに変えてに「小説を書くための準備に14年、執筆におよそ4年、本になる
のに1年余り掛かりました」と書かれていました。
平成2年からということです。字面からは「長いね~」で終わりますが、考えて
みれば、私の孫が平成元年生まれですから、その子が1歳から、社会人になる
までの年月に相当するのです。凄いお人だな~と思います。勿論、書くことは
初めてでは無いのですが、結婚してご主人が亡くなるまで筆を絶っておられた
ようです。準備期間を経て書き始められたのが80歳、凄いな~!
宮大工のお話なんですが、登場人物の関係図を後ろに書いてくださっているの
ですが、主人公は宮崎の椎葉村出身。所がもう一方では北陸若狭の新田義貞
の家系です。この家が、何処で如何繋がるのか不思議に思いながら読み進み
ました。答えは後ろの方になって、思いがけない出会いでやっと出てきまし
た。
主人公は「左右近(さうちか)」と言うかわったなまえです。彼の移動と共に
我兵庫県も出てきます。
白鷺城で有名な姫路、本では「姫地」となっています。昔はこう書いて「姫路」
と読んでいたのですね。
その北側にある「書写山 圓教寺」。ここは西国のお札所ですから、私も行っ
たことがあります。ケーブルで登って、お寺自体は、清水寺の様に木組みの上
にありました。昔のお寺と言うのは、山中のがけっぷちのような場所に建てる
ので、こういう建て方が多い事をこの本で知りました。
一人前の宮大工であるかは「墨壷」の出来を見れば分かる物のようです。
祖父が宮大工で「墨つけ」を懐かしそうに取り出していた。と書きました。そ
れが正式には「墨壷」といい、大工自身が自分のために作り、その作品を見る
と、その人の技量がわかるという大切な物だということが、この本で初めて知
りました。そして祖父が、懐かしそうに、いとおしむように磨いていたのが合
点がいきました。祖父にとっては命の次に大切なものだったのでしょう。でも
きっと空襲で灰になったのでしょうね? それとも持って逃げたのでしょうか?
私が集団疎開から帰ったときは祖父は亡くなっていましたから、知るすべはあ
りません。
主人公はたゆまぬ努力もあり、腕のよさを認められ、人の縁で周防の五重の塔
の作業にかかわることが出来る。ここでもう一人の主人公「初子」との出会い
がある。お互いに心引かれる感じはあるが、結ばれることは無い。
五重塔はその姿を見た人間には「美残し(みのこし)」だが、巡り合えな
かった者には、この世に思いを残す「見残し」の塔だと考えた。
この言葉で題名を理解しました。
「石仏は、雨、風に打たれているのが、良く似合う。陽の光もに合うが、
雨風が似合う。たとえ崩れてもいても、仏は、仏だ」
この言葉も印象に残りました。
「コスツエ」 宇治植物園 (11-10-20)