ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

錨を揚げよ

2011年11月16日 | 読みました

          「サボテン」   今年初めて花をつけました    (11-11-5)


図書館に行きました。いつもなら行きは歩いていき、帰りは武庫之荘で買い物
をして、荷物も多いので、バスで帰るのですが、今日は用心して行きも帰りも
バスでいきました。

受け取った本が、今日の「錨を揚げよ」と同じくらい、分厚い上下本ですし、
もう1冊あります。「うわ~、読めるかな?」と思っていますと「特別整理の
ために、貸し出し期間が1ヶ月になります」と係りの方が言いました「うわ~
嬉しい!」と思わず大きな声を出してしまいました。

私は長編が好きですから、分厚い本を見ると嬉しいのです。しかし、何しろ、
読むのに時間が掛かるようになったのです。本来は2週間なのです。65歳以
上の希望者にはせめて3週間にしてほしいと思うぐらいなのです。本気でそう
思っています。だめでしょうかね~。

ありがたいことに足の痛みは、痛み止めの薬のせいもあるのでしょうが、ず~
と楽になっています。

しかし、この土曜日に、懐かしい方たちとの集まりを控えています。前日に唱
歌の学校もありますから、2日続きの外出となります。だから、その日のため
に用心したのです。元気に、楽しく参加したいと願っているからです。


     錨を揚げよ     百田(ひゃくた) 直樹


        上下の本の表紙をあわせて1枚の絵になります こんなの珍しいですよね


「本屋大賞」候補の4番目と言う事で申し込んだのですが、手にとって驚いた。
4センチの厚みにページ19行のびっしりと書かれた本でした。長編の好きな
私ですから、その長さにたじろいたのではなく、「これ2週間で読める?」と
ビックリしたのです。必死で読みました。勿論息をも付かせぬ展開があったか
らですが…。

これが一人の人の人生だろうか、人間こんなに鮮明に経験を覚えていられる
のか? 私など所々、鮮明に覚えている経験の場面はありますが、それは長い
人生の中のほんの数ページです。それでもその場面は鮮明で、動画のように、
私の脳裏で、動き始めます。作者の脳はすべてを詰め込むことが出来るのだ
ろうか? 

数十人分の人生を生きているように私には読めます。調べているうちに本人の
映像に行き当たりました。本を読みながら、こんな激しい人生を生きた人はど
んな人だろうか? と思っていました。その時私の脳裏に浮かんだ二つの影が
ありました。この人とこの人をミックスした人ではないだろうか?…と。勿論、作
家のような破天荒の生き方が似てるというのではなくて、外見がこうかな? と
思ったわけです。作者の画面を見て驚きました。私のミックスさんととても似て
いたからです。人間顎の形が似ると、話し方が似るといわれますが、話し方ま
で似ていたのでビックリしました。世の中に似た人が三人いるといいますから、
この実在しない、私の想像の中のミックスさんも何処かにおられるかも…。

作者がテレビの報道番組を見ているとき荒れ狂う悪魔のような波に翻弄され
る漁船が写っていた。その時に、誰かが「錨を揚げよ」と言った気がする。
そこからこの本の名前がついたようです。

私が笹川良一さんの「悪名の棺」を読んだときに知った事を、作家はその時
点で知ったようで、『何十年も前に沈んだ「ナヒモフ号引き上げ事件」でその
船の8千億とも1兆円とも言われた財宝の帰属問題に対し、ソ連が図々しく口
をはさんだ時、引き上げ資金を出していた笹川良一は「北方領土となら交換し
てやっても良い」と言い放った。』と書いている。時事問題まではっきり覚えて
いるのには驚いた。その時期、話の主人公は密漁船(うにの密漁)を持ってい
たので、笹川さんのソ連へのその挑発はあまり歓迎すべきものではなかった。
なぜなら監視が厳しくなり、密漁がしにくくなると結んでいる。

大宅壮一さんがテレビが生まれた時に「1億総白痴化」すると言った。あれか
ら20年たって(今から25年前、1985年当時)、大宅壮一は正しかった、
たいした預言者だとも言っている。

ビデオの中で作家が言うには「これは25年前に書いたもので、色んな場面で
恥ずかしさに身の縮む思いがあるが、あえて、書き直しはせずそのままにして
おくことにしたと言っていた。

すべてが貴方の人生か? の問いには肯定も否定もしなかった。これだけの
経験を一人の人間が数年の間に経験したとは到底考えられないが、あらかた
が彼の人生経験だったと思うことにした。

とにかく、面白いといえば御幣があるかもしれないが、引き込まれるように読
んだのは事実です。1個の分厚い本を10日間で読み上げてしまいましたから。

人生何にでも枠がある。当たりの枠、はずれの枠、その数は決まっている。

と言う言葉がが心に残りました。




コメント
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