ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

遍路  (104回)

2010年06月05日 | 思い出話
              平成15年11月18日
       結願寺 大窪寺    民宿 八十窪 泊まり




もう一度来たいと思った。経験ある道は一度目より容易だろうと考えた。実際
にはもう二度とくることは無いだろうと思っているのに、心の中では「来たい!」
と望んでいます。「お四国病に罹ったのかな~?」と思います。今回は先を急
いでと言うか、時間にせかされて、一寸、足を伸ばせばいける名所旧跡にも立
ち寄リませんでした。そのような気分の余裕もありませんでした。

四国と言う言葉を聞いただけで「懐かしい!!」と心がきゅんと縮むようです。
映像を食い入るように見つめる自分が居ます。私達が歩いた道ではないかと
目で追っている自分が居ます。懐かしさで震える心があります。



最後の納経をしてもらうべく、納経所に行くと、ご夫妻が「結願書」を書いてもら
っておられました。見ていると、それは連名になっていました。一人2000円と
聞いていました。2枚で4000円を覚悟していました。そのために「お接待」で
いただいた500円以下のお金は、次のお寺でお賽銭として使わせていただき
ましたが、お札は「結願書」に使わせていただこうと残してありました。

「連名でおいくらですか?」とご夫妻に聞いてみました。「2000円です」と言わ
れました。一人2000円は高いな~と思っていましたが、記念になるし…と思
案していました。それが連名で2000円ならいいか、と書いていただきました。
卒業証書を入れるような筒に入れて渡されました。

思い起こせば、お札を下さったのは一人の方を除いて、皆さん女性でした。そ
れも財布からお金を取り出すのではなくて、パチンと音を立てて開ける「がま口」
でした。

お互いに写真を撮り合いましょうということになり、団体さんが記念撮影する
場所で、撮り合ってお別れしました。

    

今夜の宿「民宿八十窪」はすぐそばにありました。結願のお祝いに「赤飯」を
出してくださると言うので、楽しみにしていたのですが、「赤飯」は出ては来た
のですが、色粉を使っているらしく曼荼羅に染まっていて、がっかりしました。
結願の人たちのために「お赤飯」を始めた女将さんが、明日手術のために入
院すると言う日に行き当たってしまったからでしょうか、若女将が接待に出て
いました。

昨夜の宿でご一緒だった松山の人と、もう一組ご夫婦の方と私達の5人が泊り
客でした。松山の人が話します「昨夜一緒だった若い女性の二人組みは100
円バスで下山するので、そのバス停の近くに荷物を置いてきたらしく、身軽に
女体山に登ってきて、私は瞬く間に追い越されました。大窪寺で家に電話をし
て『もう着いてしまった』と家内に言ったら『もうではないわ、1ヶ月半も経ってる
よ』と言われてしまいました。家に帰って『今度は別格に行く』といったら家内が
どんな顔をするかとても楽しみです」と眼鏡の底の目が少年のように私に笑い
かけました。

ご夫妻の方は会話に加わってこられませんでした。相撲が好きらしく、テレビ
にくぎ付けでした。しかしこのテレビが古くて、取り組みが始まると画面が消え
るのです。宿の人がテレビを叩くと映る…と言う代物で「消えたら、力いっぱい
叩いて」と言う意味の言葉を、その土地の言葉で言われて(残念ながら忘れて
しまいました)その言葉がおかしいと、みんなで大笑いしました。

せっかく、結願の夜の同宿なのに、祝いあう人が少ないのが少し残念だったと
思いました。二日遅れで歩いてこられる小林さんご夫妻がご一緒だったら、ど
んなに楽しいだろうかとフッと思いました。


             2日遅れて結願を目指しておられるこばやしさんが 
          一足先に結願した私達の状況を詠んでくださったのが 始めの一句です


この句は遍路仲間のこばやしさんの奥様の句です。今年のNHK「俳句」欄に
も当選されたとか…。私はこの方の句がとても好きです。前にも書きましたが
「先生」には付かないで、自己流を続けていただきたい、先生に付くとその先
生のカラーになるような気がするからと勝手なことを言いました。趣味の世界
は自己流結構、他流試合は「俳句」欄に投稿でよし。

                 民宿  八十窪 (5泊目)






    
コメント (2)
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