緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

尖閣問題を考える(6)

2012-10-28 19:51:52 | 時事
こんにちは。
尖閣問題について感じたことを書き始めてから6回目になります。
9月22日付けのブログ「尖閣問題を考える(3)」で、日本車を運転していた中国人を暴徒が十数人で取り囲み、車から強引に引きずり出し、日本車に乗っているというだけで、鉄パイプで頭を殴りつけ、その中国人を半身不随にしてしまったという記事について書いたが、24日付けの朝刊に容疑者が何故そのような行動に出たのか、その背景や動機について取材した記事が掲載されていた。



この記事によると容疑者は「愛国のために」反抗に及んだという。この「愛国のため」という考え方は、1990年代の江沢民主席の時代に行われた愛国主義教育によるものだと言う。
学校の中で抗日を題材にした教育を行うだけでなく、毎日朝から夜まで「日本軍人が殺人や略奪を繰り返すシーンを強調した抗日戦争映画やドラマ」を流し続けているという。
そしてこれらの洗脳教育を受けた若者たちには「反日=愛国」という公式が強固に植えつけられている。
先の容疑者の母親は「学校では日本人は悪いと教わり、テレビをつければドラマの多くは抗日もの。反日感情を持つなという言うのが酷だ」と言ったという。
10年くらい前であろうか、日韓同時開催となったサッカー・ワールドカップで、中国人の若者が大勢でものすごい敵意を日本人選手に向けていたのを見て驚いたことがある。
この時「戦争が終わってから何十年も経っているのに何故若い人たちが?」と不思議に感じた。中国の戦争体験者の世代よりもずっと若い世代の方がはるかに強い敵意や憎しみを持っていたからだ。
北京オリンピックの時も、バトミントンの試合で中国人の観客が試合中の日本人選手に対し、大勢で足を踏み鳴らして憎しみを表現していた。
この時も「何で今になってこんなに強い敵意を向けてくるようになったのだろう」と疑問に思ったが、この理由が徹底した反日教育の結果だと後でわかった。
この「日本に対する強い敵意や憎しみ」は第3者による意図で新たに作らされた感情、あるいは別の感情(例えば政府に対する不満)から転化されたものではないかと思う。だからどこか異様に感じられるのである。
先の容疑者の世代だって抗日教育を受けなければ今回のようなデモを起こさなかったであろう。指導者が違っていたらもっと前向きな、世界に対し開放的で友好的な感情を持てたに違いない。
過去を直視し、学ぶことは大切であるが、新たに憎しみを植えつけるような教育は間違っているし、教育の目的が政治的意図に利用されている。
江沢民ではなく、「今」の日本に目を向けられる指導者であったならば、日中関係は大きく良い方向に向かっていたであろう。
江沢民は第二次大戦のとき10代であったと思うが、その時に受けた屈辱を晴らすために日本に対し強い復讐心を抱いたに違いない。そうでなければこれほど徹底した抗日教育を行うはずがない。そしてその復讐心から経済力と軍事力を拡大し、日本を追い越し、力で支配力を行使しようと意図したのではないか。その一つの実行が、尖閣諸島を我が物にすることであろう。そこには明らかにかつて中国が日本に侵略され領土を奪われたことに対する屈辱と復讐心が感じられる。
現在なおも尖閣諸島周辺の領海に中国の公船が度々侵入していると言う。隙あらば侵略しようとしているのであろう。
新聞の投書などで今回の尖閣問題を中国と日本双方に原因があるものとしてとらえ、共同管理化などを唱える意見を目にするが、日本は中国の独断的、一方的で侵略を意図した行動に巻き込まれていると見るべきであろう。自国の領土を国有化したことに何故罪悪感を持たなければならないのか。
デモ隊に日本企業が焼き討ちに合い、商品を略奪されているのに日本人はよく我慢していると思う。しかし我慢にも限界がある。
中国政府は過去の屈辱からくる復讐心を動機に経済力、軍事力を拡大し、かつて日本を属国としてみなしていた頃の古代の大国を復活させようとしているのではないか。
中国はあと20年後にアメリカと並ぶ大国になると予測する識者もいるが、私は今の中国政府の行動が続く限り大国には絶対になれないと思う。他国の領土を平気で我が物にしようとする国に対し、経済面での交流はあっても政治的・文化的交流は発展させられない。
そして日本は個人レベルで中国と友好を築けても国家レベルでは決して友好を築けないと思う。
日本が中国と真に友好が築けるようになるためには、中国の指導者を今と全く違う民主的で未来に目を向けられる人に替えない限り無理であるといっても言い過ぎではないと思う。
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