緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

感動した合唱曲(NHK全国学校音楽コンクール:Nコン(13)

2014-11-24 21:28:37 | 合唱
三連休の最終日、朝起きると寒空が広がっていた。しかし夜でも外は意外に暖かい。
今年の音楽鑑賞はフランツ・リストのピアノソナタロ短調の聴き比べ、ペーター・レーゼルのピアノコンサート鑑賞、マリヤ・グリンベルクの録音を多数入手できたなど、充実したものになっている。
今年も残すところあと1か月余りとなったが、大きな音楽イベントは12月に開催される東京国際ギターコンクールだけとなった。
しかし11月終わりから12月まで大学等の音楽サークルの定期演奏会の開催が目白押しとあって、曲目次第では聴きに行こうと思っている。
今年はピアノやギターだけでなく、Nコン(合唱コンクール)のブロック大会と全国大会の生演奏を聴くことができたという幸運に恵まれた。
合唱なんて4年前までは全くと言っていいほど関心が湧かなかった。
理由は歌を歌うのが大嫌いであるからだ。子供の時からこれ程苦痛だったものはない。一種のトラウマであろう。
しかし中学3年生の合唱大会で歌ったある曲が強く心に残り続け、この曲を何とかもう一度聴きたいと願いながらもかなわず数十年の歳月が経ち、丁度4年前に、自分にとっては運命的ともいえる再会を果たした。
その時の感動は今でもはっきりと覚えている。それはたとえようもないものであった。
それ以来合唱曲を聴くことにのめりこんだ。ほぼ100%近く高校生の合唱である。
高校生の合唱大会(コンクール)には、NHK全国学校音楽コンクールと全日本合唱コンクールの2種類がメインであるが、前者(略してNコンと言う)はテレビで放映されたり、NHKのホームページで動画が公開されるなどのサービスがあるため、毎年かかさず鑑賞している。
音源はCDでフォンテックから発売されるが、限定販売のためわずか数年で廃盤となる。従って古い年度の大会、しかも全国大会のみであるが、その録音を聴くためには上野の東京文化会館音楽資料室などで聴かせてもらうしかない。
フォンテックから出ているCDは平成13年度大会まで(途中2、3抜け有)なんとか集めたが、それ以前の年度のものはまず入手できない。
稀にヤフオクで信じられない価格で出品されていることがあるが、もちろん買う気になどなれない。したがって用事で東京に出てきたついでに先の音楽資料室で聴かせてもらうのである(無料です)。
NHKやフォンテックにお願いしたいのは、コストをかけないパッケージでよいので、過去の大会の録音集を何とか販売していただけないであろうか。切に望む。
さて前置きがが長くなったが、今日紹介するのは、過去のNコン全国大会で何度聴いても深い感動が得られる素晴らしい演奏だけを集めたシリーズものの13回目である。
曲目は平成26年度(2014年度)全国大会高等学校の部課題曲「共演者」(作詞:小林香、作曲:横山潤子)、演奏は関東甲信越ブロック代表、大妻中野高等学校である。
この「共演者」という曲、初めて聴いた時には違和感を感じたが、なんだかんだ言って何度も聴いている。
私はいい演奏かどうかどうかを聴き分ける方法の1つとして、演奏を聴きながら、同時に例えば新聞を読んだり、インターネット検索をやるなどしてあえて神経を演奏からそらしてみることをやっている。
もし本当に素晴らしい演奏であるならば、自分の意思(=他の事に注意がいく)に反して、気が付くとBGMとして半ば聴いていた演奏に知らないうちに惹き込まれてしまうのである。
何故惹き込まれてしまうのか、というと奏者の意識的なものが何も混じらない真の感情が特別聴こうとしていなくても伝わってくるからである。そしてその感情の流れは強くかつ極めて自然である。
私はこのような演奏ほど真に素晴らしい演奏だと思っている。
そしてこの大妻中野高等学校の「共演者」の演奏がまさにこのような演奏なのである。
最大の聴きどころは、中間部の「私はどんな筋書きでも あなたの客席で観ています」という箇所である。
気持ちをまっさらにして是非聴いていただきたいと願う。心に強く伝わってくるものが感じられないだろうか。
そしてこの演奏の良いところは、何度も聴くたびにその価値に気付いていくことである。
その価値とは、この歌に込められた純粋なメッセージそのものである。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 法政大学工学部 マンドリン... | トップ | 牧野信一 「ゼーロン」を読む »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Tommy)
2014-11-26 09:28:56
大妻中野高等学校と言えば以前住んでいたすぐ近くにあった学校でしたが、当時は目立たない学校でした。
千葉県立幕張総合高等学校の合奏を聴きました。非常にレベルが高いのでこれが高校生かと思うほどでした。ありがとうございます。
返信する
Unknown (緑陽)
2014-11-26 21:37:43
Tommyさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
Tommyさんは中野区に住んでいたことがあるのですね。新宿に近くて便利なところですね。
以前山などの風景写真を撮っていたことがあって、中野駅近くの大きなカメラ屋さんで中古の撮影機材を買ったことがあります(今でもあるのかな)。
大妻中野高等学校の演奏を初めて聴いたのはNコン平成17年度全国大会の録音ですが、とても素晴らしい演奏で、何度も聴かせてもらっています。
今年度の演奏も基本的な演奏スタイルは変わっておらず、それがまた魅力であり、惹き込まれました。
この高校の演奏は一見地味に聴こえるのですが、本当は凄いんです。
気持ちを研ぎ澄ませて聴くと、その良さがきっとわかっていただけると思います。
返信する

コメントを投稿

合唱」カテゴリの最新記事