緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

金属の魅力-銅-

2019-06-09 20:47:46 | 金属
金属シリーズの2回目は銅にした。
先日記事にした真鍮と共に好きな金属だ。
金や銀は輝きすぎで、華やかというイメージがあるが、銅は庶民的で暖かく、落ち着いた輝きがある。
私は金や銀よりも独特の美しさを持っていると思う。

銅は金や銀ほどではないが、他の金属に比べて価格が高い。
素材のサイズ、形状により幅があるが、鉄が85円/kg、SUSが350円/kgに対し、銅は現在670円/kgだ。
銅はバブルが崩壊した1990年代後半から2000年に入るまで200円/kg台で推移していた。
この時代は素材の価格が低迷していた。
灯油が18リッター600円台で買えた時代だ。
年々相場が下がっていた時代でもあった。
しかしその後、金属や石油は急に著しく上昇した。
中国の経済成長と北京オリンピックによる需要増が原因だった。
銅の建値は平成18年には1,000円/kgを超えるまでに跳ね上がった。
その後リーマンショックで相場が下がったが、それでも2年くらい前は800円/kgくらいだったと記憶している。

銅は高い熱伝導率、優れた熱伝導性を有しているため、工業製品に多く利用されている。
私の勤務先も銅を素材にした材料をたくさん購入している。
日常品では熱伝導性や殺菌性を持つことから、食器や調理器具等によく利用されている。

銅を素材にした日常品で誰もが普段使っている最も身近なものがある。
それは10円玉だ。
今日、財布の中から10円玉を取り出したら、運よく極く新しいものとかなり古いものの両方があった。

下は平成31年製のもの。
劣化しておらず、未だ銅の赤い光沢を保っている。



下は昭和49年製だ。
1974年だ。いい時代だった。
使い古されて酸化して、元の赤い光沢は見る影もない。



次に私の手持ちの日常品だ。

まずはマグカップ。
内側は銀色の錫メッキを施したものだ。
随分前にハード・オフで2個セットで買ったものだ。
このカップでまずコーヒーを入れたのであるが、あまりにの熱さに口をやけどしそうになった
それ以来熱いものを入れたことはない。
実際に使ったのは1個だけ。
このマグカップは歯磨き専用だ。



下は使わなかったもう1個の方。



ほぼ新品状態だ。
2個横並び。



歯磨き用は長年の使用によりすっかり変わり果てた姿となってしまった。
これを無残であわれな姿と見るか(場合によっては汚らしい?)、年季の入った渋い姿と見るかは、人によって受け止め方は違うだろうが、私は後者の見方だ。
先の10円玉のように長年毎日使用に耐えてきた積み重ねというものを感じる。
表面の腐食がそれを示しているが、ピカピカの光沢を放った新品には無い落ち着きとか、年輪のようなものを感じる。

下の写真は昔登山で使ったクマよけの鈴だ。



今は全く使っておらず、本棚に置いてあるだけだ。

下は、自動車のオイルパンのオイル排出口を閉めるドレンボルトに使うワッシャ。
銅やアルミなどの柔らかい素材が使われる。パッキンと呼ぶ人もいる。
自分でオイル交換をする人は知っていると思う。





他にギターをやる人が日常使っているものがある。
それは低音弦だ。
ナイロンの芯線に、銅を巻き付けたものだ。
表面は銀メッキが施されている。



低音弦を長く使っていると、4弦2フレットあたりがメッキが剥がれてきて、茶色の金属のような状態になることがあるが、この茶色の素材が銅だ。

銅の魅力は、赤みがかった光沢、暖かみ、柔らかさ、落ち着いた手触りにある。
いい金属だと思う。
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