緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

中田喜直作曲 「霧と話した」を聴く

2017-09-03 21:42:42 | 歌曲
夜になるとだいぶ涼しくなってきた。
秋が近づいているのだろう。
今日はNコンのブロック大会であるが、整理券が入手できず、やや残念な一日であった。

この時期になると、中田喜直の「小さい秋みつけた」を思い出し、聴きたくなる。
昨日の夜からYoutubeでいい演奏がないか探したが、なかなかないものだ。
手持ちのCDでは伊藤京子と鮫島有美子が歌ったものがあるが、伊藤京子の歌が好きだ。
伊藤京子のCDをかけると、いつも立て続けに10回以上は繰り返し聴いてしまう。

中田喜直といえば、「小さい秋みつけた」の他に「雪の降るまちを」や「夏の思い出」が思い浮かぶ。
一番好きなのが「小さい秋みつけた」であるが、日本人だけが生み出すことのできた究極の名曲だと思う。

Youtubeで中田喜直の曲を検索していたら、「霧と話した」という曲が見つかった。
演奏は黒澤明子。
手持ちのCD「中田喜直歌曲集」にもソプラノの松本美和子の演奏が収録されていた。

中田喜直のイメージとはかけ離れた、暗く悲しい曲だった。
作詞は鎌田忠良という方であるが、詩の主人公は女性である。
この詩の女性は、付き合っていた男性の心の真意を霧にたとえ、霧と一緒に恋をした。
この男性にまとわりつく霧がかわいたとき、初めて男性の真意に気付き、自分の気持ちが幻影であったことを悟り、涙を流す。
そんな内容であろうか。

人は意識できなくても、心の底では現実を知っている。
無意識で愛の無さという事実に気付いていながら、そのことに蓋をして、幻影を抱きながら付き合うことは辛い。
自分も20代の頃は、相手の現実がわからず勝手に幻影を抱いていたことがあった。


わたしの頬は ぬれやすい
わたしの頬が さむいとき
あの日あなたが かいたのは
なんの文字だか しらないが
そこはいまでも いたむまま

そこはいまでも いたむまま
霧でぬれた ちいさい頬
そこはすこし つめたいが
ふたりはいつも 霧のなか
霧と一緒に 恋をした

霧と一緒に 恋をした
みえないあなたに だかれてた
だけどそれらが かわいたとき
あなたは あなたなんかじゃない
わたしはやっぱり 泣きました

わたしの頬は ぬれやすい
わたしの頬が さむいとき
あの日あなたが かいたのは
なんの文字だか しらないが
そこはいまでも いたむまま





【追記20170903】

女声合唱版の演奏を見つけた。
演奏は白百合女子大学グリークラブ

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