緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

シベリウス :5つの小品(樹木の組曲) Op.75より第5番「樅の木」を聴く

2021-02-07 21:42:02 | ピアノ
フィンランドの作曲家であるジャン・シベリウス(1865-1957)のピアノ小曲集「5つの小品(樹木の組曲) Op.75」より5曲目の「樅の木」は短い小品ながら、とても美しく、せつなさを感じさせるピアノ曲だ。

中間部のアルペジオは強い情熱のようなものも感じる。
静かな夜に聴くべき曲であろう。

Jean Sibelius - 5 Pieces for piano, op.75 no.5 'The Spruce' (w/sheet)



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物質的豊かさだけでは虚しい

2021-02-07 10:47:10 | 心理
今日の朝刊の社説に、昨年約45年ぶりに見た山田洋次監督の映画「家族」のことが書かれていた。
この映画の中で、1970年に開催された大阪万博会場での雑踏のシーンが描き出されているが、山田洋次さんはこのシーンのロケで「万博は未来の幸福を描いているか。幸せとは、という考察を離れ、物質的な豊かさを追い求めていいのか。暮らしや家族が壊れてしまわないか」と自問を続けていたという。

社説の執筆者は言う。「監督はこの作品や寅さんシリーズで、失われてしまうかもしれぬ人の情や触れあい、心の豊かさを問うたのだ。経済成長主義への深い疑問を抱きながら。」

1960年代半ばから1970年代にかけての日本は、最も活気に溢れていた時代だった。
私はこの時代に、幼少期、少年時代、思春期を過ごした。
その頃の人々は、生活が、社会がどんどん良くなっていくことを確信していた。
そしてこの時代にはとてつもなくやさしい人や、素晴らしい人がたくさんいた。
この時代に作られた映画、ドラマ、アニメ、小説などの質の高さがそれを物語っている。

1980年代に日本経済は頂点を迎えた。しかしその反動として精神的豊かさは1970年代の頃に比べて低下していった。
情や触れあいというものは徐々に姿を消していった。
今の日本は経済活動も衰退し、一人当たりGDPは韓国に抜かれようとしている。
経済の繁栄はもちろん大事なことだ。人々の生活基盤にかかわることだから。
しかしそれと共に精神的豊かさを高めていくことはもっと大事なことだと思う。
今の日本は、衰退しつつあるなかで依然として物質的豊かさに固執し追い求め、競争主義の中で疲弊している。

今求められるのは何かと言ったら、やはり人の情や触れあいだといいたい。
絵空事ではなく、本気になって行動すれば今の時代でもそれを得るのは可能だということだ。
私は、1980年代に入り20代初めからずっと長い間、人間に失望して生きてきたが、その感じ方を変えるきっかけとなるものに出会った。
昨年から始めた講習の中で、講習仲間との出会いのなかで、60年代、70年代にいたようなとてつもなくやさしい人たちがいたのだ。
それは全参加人数中3%ほどと、ごくわずかな人数であるが、いたのである。

今の時代、このような人たちとのつながりを持つことが最も大切なことだと痛感する。
経済成長をおろそかにしてもいいとは言わないが、物質的豊かさのみを追い求めることは虚しい。
確率3%でも、行動×チャンスがあれば得られることは可能だと思う。
チャレンジしていきたい。
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