先日の新聞広告で目に入った本、「あなたを閉じ込める『ずるい言葉』」というタイトルに惹かれて買って読んでみた(森山至貴著、WAVE出版)。
まだ全部読んでないが、いろいろと考えさせられる内容だと思う。
ただ残念なことに解説文がとても分かりにくく、正直、読み進めるエネルギーが出てこなくなってしまった。
読者が一読しただけで、腑に落ちるような文章表現力、簡潔さが欲しい。
「ずるい言葉」とは何だろう。
一言で言うと、「悪意が隠された言葉」というべきか。
悪意という攻撃的な感情の正体が相手に見破られない姿に偽装された言葉とも言える。
ではどのような手段でもって真意を隠すのか。
よくあるのが、正義、正論、規範といったものだ。
さほど重大な落ち度のないようなちょっとしたミスや不注意を取り上げて、正義、正論、規範を持ち出して激しく人を責める人がいる。
言われた当事者は、相手の言っていることが表面上は正しいように聞こえるので、なかなか反論できない。
あと自分が傷つかないようにするために、自らの責任を相手に巧妙にすり替えるような言動がある。
このような、真意が隠され偽装された言葉を言われた場合、自我が確立していない人は確実に心にダメージを受け、病んでいく。
意識上は相手の言うことが正しいと認識しているのに、潜在意識では相手の攻撃的な感情により傷ついてしまうからである。
重要なのは言われた本人は、悪意のある言葉を浴びせられていることに気付かないことだ。
そして自分が深く傷ついていることも。
このような「ずるい言葉」を言われたかどうかに気付くにはどうしたらよいか。
それは、相手から言われた直後に、何か「釈然としない」気持ちを感じ、その気持ちがずっと尾を引く、という感覚が残るかどうかということである。
潜在意識が釈然としないと感じたことは、相手の言っている表面上の言葉と相手の真意が乖離しているということである可能性が高い。
言葉と真意が一致していれば、言われた方は「腑に落ちる」ものだ。
「ずるい言葉」であるかどうかに気付くには、相手の人間性を見抜く力が養われていなければならないが、言われたことが心に引っ掛かる場合が多い場合には、相手がどういう人物かをよく観察してみた方がいいと思う。
あとこれは確信していることであるが、「ずるい言葉」を使う人は例外なく不幸で、苦しんでいる人だということだ。
だから相手から「ずるい言葉」を使われたと分かったとしても、大きな問題と受け止める必要はない。