緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

爪磨きの改善(4)

2016-10-02 21:22:50 | ギター
いつだったか記事で紙ヤスリ丸めて湾曲させ、縦方向に指を動かしながら磨く方法を紹介した。
この方法を発見してから今も継続して実践している。
この方法のメリットは、磨いた爪の表面が平らにならず、曲面となり、かつ磨いた面の両端が鋭角にならず、R(アール)となるため、弦を弾いた時に引っ掛からないのである。

このやり方で磨いたあとの仕上げであるが、ルシェールという弦メーカーが出している布製のサンドペーパーの使い古しを使っていた。
しかし使い古しも使い続けていくとただの布になっていくものである。
このルシェールの磨きセットは高価なので、もっと身近なもので代用できるものはないかと探していた。
初め布製サンドペーパーを探したが、ルシェールのようなものは発見できなかった。

先日図書館で現代ギターを立ち読みしていたら、あるギタリストが爪磨きの仕上げに石を使っていることが紹介されていた。
石という発想に驚いたが、私は木片、黒檀とかそれに近い硬い木でホームセンターや東急ハンズなどで手に入る破材を以前試したことがあったが、結局表面が平らなので鋭角に磨かれてしまうのだ。
堅い皮、これも東急ハンズで売っていた破材であるが、うまくいかなかった。

数日前職場の机の引き出しを何気なくいじくりまわしていたら、思いもよらぬ物が出てきた。
それは10年くらい前に、製造現場の破材置き場から拾ってきたものだった。
もう一つは工程管理担当者から不要となったものをもらった物。

それは埋込座とボルトだった。
埋込座は真鍮製で、埋め込まれる部分が球体で、座の部分はタップを切ってある。
このタップに先の工程管理の方から貰ったボルトが偶然にもピッタリだったのだ。お互いに何の関連性のない部品である。
このガラクタを何に使用することもなく、長い間机の引き出しにしまってあったのだが、これをたまたま見た時、先に述べた現代ギターで紹介されていた石のことが頭に浮かんだ。
もしかするとこのガラクタが爪磨きの仕上げ用に使えるかもしれない。

早速家に持ち帰り、埋込座の球体の表面をサンドペーパーでならし、爪を磨いてみた。
埋込座にボルトを装着すると持ちやすくなる。
爪を動かす方法は弦を弾くときの動きと同じように上下縦方向である。
同じ角度にならないよう、さまざまな角度で磨いていく。

いいところで実際に弦を弾いて試してみる。
意外に雑音は無い。いい感じだ。
真鍮製で鉄よりも柔らかいのがいい。

しばらくこれを仕上げ用に試してみるつもりだ。









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木島始作詞 信長貴富作曲 合唱曲「ねがいごと」を聴く

2016-10-02 00:47:44 | 合唱
ここ1か月ほど、木島始作詞、信長貴富作曲の合唱曲「ねがいごと」を聴いていた。
この曲は3曲からなる混声合唱組曲「ねがいごと」の第3曲目である。
この曲を初めて聴いたのは、全日本合唱コンクール全国大会の録音で、札幌北高等学校が演奏する「厄払いの唄」であったが、組曲全て通しで聴いたのは今年の3月に神奈川県立多摩高等学校の定期演奏会であった。
とくに終楽章の「ねがいごと」は強く印象に残っており、「リフレイン」と何度か繰り返されるフレーズが忘れられなかった。
その後Youtubeで札幌北高等学校のNコンでの演奏を聴いたが、1か月ほどまえにNコンのホームページで多摩高等学校のNコンの演奏(平成27年度)を見つけた。

木島始氏の「おのおの消えゆく者の人生の総括の詩」に信長貴富氏が曲を付けたものであるが、なかなかいい曲だ。
この世に未練を残さず、来世に希望を託す。
曲に暗さや悲しさは無い。人生や運命に対する受容、悟りが感じられる。
未来に向かう強い気持ちに満ちている。

多摩高等学校が歌う次のフレーズの歌声、とくにソプラノとアルトが好きだ。

おもいほどこのよあのよにとほうもなく
かけまりにいきたがるものはないだろう
そのひとびとのおもいのなかへとびこんで
へんしんしうる今をわがものにできるよろこび

この最後のフレーズのひたむきな歌い方に感動する。
気持ちが無垢なのである。
それ以外のものは感じられない。
歌い手のこの純粋、無垢で、精一杯な歌い方に感動するのだ。
歌い手の日常の気持ち、生き様が十分に聴き手に伝わってくる演奏だ。

合唱コンクールで賞を意識し、計算された演奏を聴いてうんざりすることがある。
賞を求める気持ちは誰にでもある。
それは否定できない。
しかし賞を狙った演奏よりも、純粋に曲の素晴らしさ、歌を歌うことの素晴らしさを聴き手と共有できた結果、賞を貰う方が何千倍もいい。

高校生たちには、後で何度も繰り返し聴きたくなるような演奏、聴くたびに深い感動を引き起こしてくれるような演奏とは何かと自ら問いかけ、そのような演奏を目指してほしいと願う。

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