武満徹(1930~1996)の初期のピアノ作品を聴いた。
「ピアノのためのロマンス(Romance, for piano)」(1949年作曲、1998年初演)。
先日聴いたピーター・ゼルキン演奏の武満徹ピアノ作品集には収録されていなかった。
この作品集が発売されたころには、未だこの「ピアノのためのロマンス」が初演されていなかったからであろう。
作曲者の死後、発見されたのかもしれない。
武満徹が18か19歳、現東京芸術大学を受験した頃の作品で、前衛音楽の影響を受けない、シンプルで素朴な曲だ。
日本古来の陰旋法をベースにしながらも、新しい和音の響きも聴こえてくる。
とても美しい曲だ。
陰旋法の好きな人であれば、必ず聴き入るに違いない。
和声の使い方がとても上手い。
はかなさ、むなしさ、どうすることもできない悲しさ。
何かを強く求めながら、ついに実現出来なかったときの、激しい嘆き、無念さ。
四季の美しさに満ちた静かな日本の奥ゆかしさ。
抑圧的体制から生まれる庶民の気持ち。
質素なぎりぎりの生活の中でも、ささやかな美しさを感じ取った日本古来の人々。
この音楽を聴くと、人々のさまざまな気持ちが伝わってこないだろうか。
このような音楽は、決して、優雅な階級の人々の暮らしから生まれるものではない。
今の時代にこのような日本的情緒に満ちた音楽を聴くことは難しい。
日本古来の伝統楽器による音楽を電子楽器とコラボして満足している演奏家や聴衆たち。
世界に比類のない日本独自のこの美しい調べは、大切に引き継いでいかなければならないことを痛感する。
「ピアノのためのロマンス(Romance, for piano)」(1949年作曲、1998年初演)。
先日聴いたピーター・ゼルキン演奏の武満徹ピアノ作品集には収録されていなかった。
この作品集が発売されたころには、未だこの「ピアノのためのロマンス」が初演されていなかったからであろう。
作曲者の死後、発見されたのかもしれない。
武満徹が18か19歳、現東京芸術大学を受験した頃の作品で、前衛音楽の影響を受けない、シンプルで素朴な曲だ。
日本古来の陰旋法をベースにしながらも、新しい和音の響きも聴こえてくる。
とても美しい曲だ。
陰旋法の好きな人であれば、必ず聴き入るに違いない。
和声の使い方がとても上手い。
はかなさ、むなしさ、どうすることもできない悲しさ。
何かを強く求めながら、ついに実現出来なかったときの、激しい嘆き、無念さ。
四季の美しさに満ちた静かな日本の奥ゆかしさ。
抑圧的体制から生まれる庶民の気持ち。
質素なぎりぎりの生活の中でも、ささやかな美しさを感じ取った日本古来の人々。
この音楽を聴くと、人々のさまざまな気持ちが伝わってこないだろうか。
このような音楽は、決して、優雅な階級の人々の暮らしから生まれるものではない。
今の時代にこのような日本的情緒に満ちた音楽を聴くことは難しい。
日本古来の伝統楽器による音楽を電子楽器とコラボして満足している演奏家や聴衆たち。
世界に比類のない日本独自のこの美しい調べは、大切に引き継いでいかなければならないことを痛感する。