緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

ヴァレリー・アファナシエフ演奏 ベートーヴェン ピアノソナタ第31番を聴く

2016-04-17 21:17:00 | ピアノ
昨日、ドビュッシーの「月の光」で最も感動したピアニストとして、ロシアのヴァレリー・アファナシエフを紹介したが、彼が得意とするピアノソナタのうち、ベートーヴェンのピアノソナタ第31番録音を聴いてみた。

ヴァレリー・アファナシエフのベートーヴェンのピアノソナタの録音として有名なのは、2003年の東京、サントリーホールでのライブ録音、これは「最後の3つのソナタ」と題するCDであるが、数年前に聴いたときにはあまりいい印象を持たなかった。
しかし今回、ドビュッシーの「月の光」でこれだけ繊細な表現をしているの聴くと、他の録音も聴きたい気持ちが抑えられなくなり、別の時期に録音されたピアノソナタを探した。
そして見つけたのが、1990年12月、モスクワ音楽院大ホールで演奏されたライブ録音だった。
この演奏会では第30番と第31番が録音されている。

ベートーヴェンのピアノソナタ第31番で今まで多数の録音を聴いて最も感動し、最高の演奏だと思ったのは、旧ソ連のマリヤ・グリンベルクの演奏だ。
第31番は1962年録音のTriton版と1966年のメロディア版の2種類があるが、どちらも素晴らしい。
今でもこの演奏を超える演奏は現れていない。

今日聴いたヴァレリー・アファナシエフのライブ録音は、マリヤ・グリンベルクのレベルにかなり近づくものだ。
リヒテルのライブ演奏もあるが、No,2かもしれない。
第3楽章「嘆きの歌」で聴かせる悲しみの感情もかなりのものだ。
そして最後のフーガで速度を上げていく部分は圧巻。
終結部は最後まで速度を緩めず弾き切った。
この最後を「速度を緩めない」ということが肝要。
速度を緩めてしまったら何にもならない。
しかし最後で速度を緩めてしまって、がっかりした演奏はたくさんある。

ヴァレリー・アファナシエフの演奏を聴き終えると全身汗が噴き出しているのに気付く。
エネルギーを消費させられるが、すがすがしい。

ヴァレリー・アファナシエフのピアノソナタは、ベートーヴェン以外にモーツァルトやシューベルトの録音も数年前に購入していたので、ゴールデンウィークにとことん聴いてみたい。

コメント (2)