緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

リヴィア・レフ演奏 ショパン作曲ワルツ第3番を聴く

2016-04-02 21:57:46 | ピアノ
先週、御茶ノ水に久しぶりに出た際、diskunionでショパンの中古CDを1枚買った。
ハンガリー出身のリヴィア・レフ(Lyvia Rev 1916-)という女流ピアニストが弾いたものだ。
初めて聞く名前のピアニストだ。
ショパンはこのワルツのような小曲から華麗で壮大な曲までさまざまなピアノ曲があるが、私はワルツ集がとても好きで、中でも第10番と第3番はお気に入りの曲である。
聴くのが好きだから、最高の演奏を求めて今まで多くの演奏を聴いてきたが、第3番に関してはヴィトルド・マルクジンスキ、ジャン・ミコー、ゲザ・アンダの演奏が良かった。

早速リヴィア・レフの第10番、第3番を聴いてみる。
録音は1950年代、音質は悪い。長い間お蔵入りとなっていて傷んだマスターテープを起こしてCD化したようだ。
しかし、ピアノの音は悪くない。倍音が少なく芯のある音だ。
音をぼかすことを嫌う演奏だ。それに装飾や細工を極力排し、感情が凝縮されたピアノの音の魅力を浮き出させようとしているように思える。かなりの実力者だと感じさせる。
このピアノの音は好きだ。さらりとしているいるようで、心に喰い込んでくるような演奏。
ギターでもこんな音を出してみたいと思う。

第3番は高校生の時に姉の弾く演奏でよく聴いた。
高校1年生の夏の夕暮れに、姉の弾くこの曲をよく聴いた。家の裏山に沈む夕日が思い出される。
憂鬱な曲である。
不遇で不幸せな人生を送った人しか作れない曲である。
とくに下記の部分などは、張り裂けそうな孤独の苦しみが伝わってくる。



しかし、この旋律は同時に美しい。悲しさとか苦しさを美の境地にまで昇華させたところが素晴らしいのである。
シンプルでありながら、ここに芸術としての極致を見出すことができる。

リヴィア・レフについての情報はまだ殆ど得ていないが、録音は少なくないようだ。
今後注目すべきピアニストの一人になると思う。

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