この日も華麗に20,000歩ほど歩き、最後の尾道をギリギリまで堪能。
毎日通った喫煙所でいつも通りカフェラテを飲みながら一服。
荷物をフロントに預けて散策を開始。
まずは、映画「ふたり」に出てきた、北尾家を探す。
駅の西側辺り。
前に一度来たことがあるのだが、大林宣彦監督の書いた本を片手にウロウロと迷う。
すると、庭先にいたおばあちゃんが「どこへ行きたいんじゃ?」と声をかけてくれた。
地図を見たおばあちゃんは
「わからんのう・・・」
と言った。
そして突如始まったおばあちゃんの尾道自慢を滔々と聞く。
おばあちゃんは、尾道以外のラーメンは口に合わないらしい。
あと、尾道の魚は何を食べてもおいしい。
景色が綺麗なので、小高い山から海を眺めながらお弁当を食べるのが子供の時からの楽しみだった・・・など。
そして
「おたくはお勤め(仕事)もあるんじゃろうが、またいつか来んさいね、尾道」
と言われて、思わず泣いてしまった。
困惑するおばあちゃん。
「帰りたくないんですぅー」
と号泣が止まらない俺、というシュールな構図が展開。
そう、朝から若干情緒不安定だったのだ。
今日の夕方には尾道をあとにする事実、「やり残したことはないか」という焦り、「次また来られるのだろうか」というプレッシャーなどによって心がしくししくしていたのである。
それがおばあちゃんの言葉で一気に噴き出した。
「やっぱりお山が 恋しいと 泣いてはどじょうを 困らせた」のは、どんぐりだが、私に至っては「やっぱり帰りたくなくて 泣いては おばあちゃん困らせた」という・・・。
涙を拭いて
「きっとまた来ます」
と言うと、
「今度は家でお茶でも飲んでいきんさいね」
と言われて、笑顔で送り出される。
といってもどこへ・・・!?
「こっちかな」
と思しき方向の坂道を登っていく。
屋根の横を歩くというのも尾道ならでは。
北尾家、発見しますた!!!!!!!!!!!!!!!!
あぎゃん!!
北尾家にたどり着き、うっとり。
憧れたなあ、この家。
実加が自室にて神永青年にラブレターをしたためるこのシーン、風が気持ち良さそうだった。
「ふたり」の台詞を一言一句覚えている私はそれらをぶつぶつと念仏のように唱えながら、亜麻色の髪の乙女のように坂を下る。
駅の北側まで歩いた。
猫、発見。にゃ~ん。暫し戯れる。
土堂小学校へ。
ここは教育熱心な小学校だ(100マス計算)。手が込んでいるホームページも有名だ(尾道市立土堂小学校)。林芙美子や大林宣彦監督の母校でもある。映画「ふたり」のロケ地だ。
土堂小学校界隈でもおばあちゃんに声をかけられ、映画「転校生」の一美の家を案内してもらった。尾道の人は総じて地元愛が強く、尾道を好きな人に対して無償の愛を提供してくれることを実感。
「ここじゃ」
と指差すさきにあるのは「転校生」の一美の家。洋館ちっくでハイカラ。しかし木が茂っていて屋根しか見えない。
おばあちゃんに挨拶をして、今日も元気いっぱい千光寺へ。
ワンダーホーゲル部に入部しちゃったのかと錯覚するほどハードである。
足が疲労困憊してて、次の一歩がなかなか踏み出せない。
廃墟である尾道城を凝視。やはり、片方のしゃちほこがない。
吉熊「やっほー」
帰りはロープウェイで下った。
臨時便が出るほどの大盛況であったが、並ばないで乗ることができた。
空を進む様子は、まるで鳥になったかのような錯覚を覚える。
そろそろお腹が空いてきた。
朝ドラ「てっぱん」でモデルになった「村上」というお店で尾道焼きを食べた。
お好み焼きに砂ずりとイカ天が入った名物である(っていうか砂ずりって何なんだろう?)。
鉄板の上で焼かれる尾道焼きと、姉妹だというおばちゃん二人の漫才のようなトークライブを味わえる。
姉妹で誰かをディスってるのだが、軽快なトークなので面白い。
鉄板を囲む客(観光客・常連客)との一体感も素晴らしい。
とても美味しかったし、笑いすぎてお腹が痛い!
「お姉さん、また寄ってな」
とおばちゃん二人に送り出される。
お腹も心も満たされた。
ごちそうさまでした!!!
まだまだ遊び足りないので、「福屋」でお土産を買ったあと、「からさわ」でアイスクリームを買い求め、海を見ながら食べる。
優しい甘さが口の中に広がる。
最後のカラ元気。
ひゃっほ~!!
うぇ~い!!
商店街に戻り、林芙美子先生の生家に潜入。
林芙美子は「放浪記」しか読んだことがない。
慎ましくも凛とした家屋だった。
商店街をぷらぷらした。
有名なおもちゃ屋さん。
キリンの首に猿がぶら下がっている。
毛糸屋さんの看板、かわいい。
持光寺界隈を、これでもかっつーぐらいに散策。
二階井戸。
迫りくる電車の時刻に諦めて・・・ホテルへ。
ホテルの喫煙所で最後の一服を噛みしめる。
潮の匂いと煙草の味を忘れないように、丁寧に吸った。
フロントで荷物を受け取り、駅で、「どんぐり@尾道駅」。
吉熊「また来るね!!」
ホームに「われは海の子」のメロディが鳴り響く。
17時14分、岡山行きの電車が来た。
電車の中で何度も振り返る尾道は「また来んしゃい」と言ってるようで、また少し泣く。
福山駅からお城を見る。
一昨日、福山に来た時は帰るときのこの切なさなんて全然想像していなかった。
17時59分発ののぞみで帰京。後ろ髪を引かれるとはまさにこのこと。
泣いて笑って、食べて眺めて歩いて、そして感じたこの三日間。
幸せを噛み締める瞬間がたくさんあった。
終始湧き起る「今、尾道にいるんだ、自分」という高揚がたまらなかった。
鳥肌が立ちまくった三日間だった。
『観光の「光」は、そこに住む人が幸せになるために考え出された叡智であり、
観光とは、その「光」を観ること』
だと大林宣彦監督が仰っていた。
尾道ほど「光」が凝縮された町はそう多くはないと思う。
今回の旅でもたくさんの「光」を見ることができた。
思い切って来てよかった。
また来よう。
ありがとう、尾道!!
草の想い~ふたり・愛のテーマ 大林宣彦、久石譲
毎日通った喫煙所でいつも通りカフェラテを飲みながら一服。
荷物をフロントに預けて散策を開始。
まずは、映画「ふたり」に出てきた、北尾家を探す。
駅の西側辺り。
前に一度来たことがあるのだが、大林宣彦監督の書いた本を片手にウロウロと迷う。
すると、庭先にいたおばあちゃんが「どこへ行きたいんじゃ?」と声をかけてくれた。
地図を見たおばあちゃんは
「わからんのう・・・」
と言った。
そして突如始まったおばあちゃんの尾道自慢を滔々と聞く。
おばあちゃんは、尾道以外のラーメンは口に合わないらしい。
あと、尾道の魚は何を食べてもおいしい。
景色が綺麗なので、小高い山から海を眺めながらお弁当を食べるのが子供の時からの楽しみだった・・・など。
そして
「おたくはお勤め(仕事)もあるんじゃろうが、またいつか来んさいね、尾道」
と言われて、思わず泣いてしまった。
困惑するおばあちゃん。
「帰りたくないんですぅー」
と号泣が止まらない俺、というシュールな構図が展開。
そう、朝から若干情緒不安定だったのだ。
今日の夕方には尾道をあとにする事実、「やり残したことはないか」という焦り、「次また来られるのだろうか」というプレッシャーなどによって心がしくししくしていたのである。
それがおばあちゃんの言葉で一気に噴き出した。
「やっぱりお山が 恋しいと 泣いてはどじょうを 困らせた」のは、どんぐりだが、私に至っては「やっぱり帰りたくなくて 泣いては おばあちゃん困らせた」という・・・。
涙を拭いて
「きっとまた来ます」
と言うと、
「今度は家でお茶でも飲んでいきんさいね」
と言われて、笑顔で送り出される。
といってもどこへ・・・!?
「こっちかな」
と思しき方向の坂道を登っていく。
屋根の横を歩くというのも尾道ならでは。
北尾家、発見しますた!!!!!!!!!!!!!!!!
あぎゃん!!
北尾家にたどり着き、うっとり。
憧れたなあ、この家。
実加が自室にて神永青年にラブレターをしたためるこのシーン、風が気持ち良さそうだった。
「ふたり」の台詞を一言一句覚えている私はそれらをぶつぶつと念仏のように唱えながら、亜麻色の髪の乙女のように坂を下る。
駅の北側まで歩いた。
猫、発見。にゃ~ん。暫し戯れる。
土堂小学校へ。
ここは教育熱心な小学校だ(100マス計算)。手が込んでいるホームページも有名だ(尾道市立土堂小学校)。林芙美子や大林宣彦監督の母校でもある。映画「ふたり」のロケ地だ。
土堂小学校界隈でもおばあちゃんに声をかけられ、映画「転校生」の一美の家を案内してもらった。尾道の人は総じて地元愛が強く、尾道を好きな人に対して無償の愛を提供してくれることを実感。
「ここじゃ」
と指差すさきにあるのは「転校生」の一美の家。洋館ちっくでハイカラ。しかし木が茂っていて屋根しか見えない。
おばあちゃんに挨拶をして、今日も元気いっぱい千光寺へ。
ワンダーホーゲル部に入部しちゃったのかと錯覚するほどハードである。
足が疲労困憊してて、次の一歩がなかなか踏み出せない。
廃墟である尾道城を凝視。やはり、片方のしゃちほこがない。
吉熊「やっほー」
帰りはロープウェイで下った。
臨時便が出るほどの大盛況であったが、並ばないで乗ることができた。
空を進む様子は、まるで鳥になったかのような錯覚を覚える。
そろそろお腹が空いてきた。
朝ドラ「てっぱん」でモデルになった「村上」というお店で尾道焼きを食べた。
お好み焼きに砂ずりとイカ天が入った名物である(っていうか砂ずりって何なんだろう?)。
鉄板の上で焼かれる尾道焼きと、姉妹だというおばちゃん二人の漫才のようなトークライブを味わえる。
姉妹で誰かをディスってるのだが、軽快なトークなので面白い。
鉄板を囲む客(観光客・常連客)との一体感も素晴らしい。
とても美味しかったし、笑いすぎてお腹が痛い!
「お姉さん、また寄ってな」
とおばちゃん二人に送り出される。
お腹も心も満たされた。
ごちそうさまでした!!!
まだまだ遊び足りないので、「福屋」でお土産を買ったあと、「からさわ」でアイスクリームを買い求め、海を見ながら食べる。
優しい甘さが口の中に広がる。
最後のカラ元気。
ひゃっほ~!!
うぇ~い!!
商店街に戻り、林芙美子先生の生家に潜入。
林芙美子は「放浪記」しか読んだことがない。
慎ましくも凛とした家屋だった。
商店街をぷらぷらした。
有名なおもちゃ屋さん。
キリンの首に猿がぶら下がっている。
毛糸屋さんの看板、かわいい。
持光寺界隈を、これでもかっつーぐらいに散策。
二階井戸。
迫りくる電車の時刻に諦めて・・・ホテルへ。
ホテルの喫煙所で最後の一服を噛みしめる。
潮の匂いと煙草の味を忘れないように、丁寧に吸った。
フロントで荷物を受け取り、駅で、「どんぐり@尾道駅」。
吉熊「また来るね!!」
ホームに「われは海の子」のメロディが鳴り響く。
17時14分、岡山行きの電車が来た。
電車の中で何度も振り返る尾道は「また来んしゃい」と言ってるようで、また少し泣く。
福山駅からお城を見る。
一昨日、福山に来た時は帰るときのこの切なさなんて全然想像していなかった。
17時59分発ののぞみで帰京。後ろ髪を引かれるとはまさにこのこと。
泣いて笑って、食べて眺めて歩いて、そして感じたこの三日間。
幸せを噛み締める瞬間がたくさんあった。
終始湧き起る「今、尾道にいるんだ、自分」という高揚がたまらなかった。
鳥肌が立ちまくった三日間だった。
『観光の「光」は、そこに住む人が幸せになるために考え出された叡智であり、
観光とは、その「光」を観ること』
だと大林宣彦監督が仰っていた。
尾道ほど「光」が凝縮された町はそう多くはないと思う。
今回の旅でもたくさんの「光」を見ることができた。
思い切って来てよかった。
また来よう。
ありがとう、尾道!!
草の想い~ふたり・愛のテーマ 大林宣彦、久石譲