世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

夏は終わらない

2013年09月10日 22時09分27秒 | Weblog
今日も会社は暑かった。
天気予報で30度を超えないと会社はエアコンを点けてくれないのである。
おかげで体調が悪くなり、微熱まで出てしまった。
暑さにだらけた社内には、そこはかとなくまったりモードが漂っていた。
もはや経費削減だか節電だか分からぬが、効率という側面から考えるとこれ絶対に良くないと思う。

そんな中今日は午後から来客があった。
業者さんと制服の件で打ち合わせ。
この夏は店舗への新制服導入に振り回された。
去年の夏、社長に「店舗の制服変えて」と言われた時から一年。

…長かった。

新しい制服導入の仕事は何回かやってきたが今回が一番難産だった。
やっと請求金額を確定させたので、これで晴れて自由の身!!

今日来た取引先の営業マンは超日焼けしていて国籍不明のオヤジになっていた。
しかもアパレルメーカー勤務なので超カジュアルな服装も相成り、ちょい悪オヤジみたいだ。

会議終了後、吉熊上司と爆笑。
「一体どこに行ってきたんだ、あのオヤジ」

社内はまだ暑いが、秘書検定・制服変更・台湾旅行…を柱にした2013年私の夏は終了したもよう。


帰宅後、本棚を見渡した。
先日逮捕された原田宗典。
彼の作品が急に読みたくなった。

昔読みまくったので一応本棚には彼のコーナーもある。


これらを読もうと思う。


ぺらぺらとページを捲る。
ふとその手を止めてしまう面白さが彼の文章にはある。



てか、私の本棚、ヤバい。
カオス…。
読みたい本がすぐに取り出せない…。
人生のバイブル、嶽本野ばら先生の「カフェー小品集」をすぐに取り出せなかった自分がショック。
今月中に作家順に並べ直したい。


整理された本棚の本。
取り出した本のページを、涼を含んだ風がそっと捲る日まで。
暑さに耐えてもう少しだけ頑張ろう。


「女文士」(林真理子)

2013年09月10日 20時14分48秒 | Weblog
眞杉静枝という作家を知ったのは林真理子先生の「女文士」を読んでからだ。
先日久々に読み返した。


もっと幸せになりたい。もっと認められたい。もっともっと、愛されたい。男を、結婚を、名声を、執拗に求め続けた女、眞杉静枝。最初の結婚からは自ら逃げ出した。愛人・武者小路実篤はついに応えてくれなかった。若い恋人・中村地平は逃げ、夫となった中山義秀も最後には背を向けた。死の間際まで艶聞にまみれたスキャンダラスな女流作家。こんなにも狂おしく哀しい女がいた――。


眞杉静枝の略歴[wiki]

真杉 静枝(ますぎ しずえ、1901年10月3日 - 1955年6月29日)は、日本の小説家。
福井県に生まれる。神官の娘。父が台湾の宮司になったため3歳から台湾で過ごす。台中高等女学校中退。17歳で旧城駅長と結婚するが離婚。
大阪毎日新聞の記者をしていた頃、正岡容の愛人となって心中を図るも未遂に終わる。のち武者小路実篤と知り合って、1927年その愛人となる。武者小路の指導で小説家を志し、1927年に処女作『小魚の心』を発表。長谷川時雨の『女人藝術』に参加。
武者小路と別れた後、中村地平や菊池寛などと恋愛。1942年に中山義秀と結婚したが1946年に離婚。この間、中国戦地の慰問団に参加して陸軍中尉の佐藤賢了と恋愛。
戦後は娯楽月刊誌「鏡」を刊行したが3号で廃刊。 また「読売新聞」で「身の上相談」を担当し、被曝少女の教護に尽した。
癌に苦しみ、死の直前にキリスト教の洗礼を受けた。通夜の席にはかつての夫、中山義秀が参列している。





静枝は美貌や文章を書くという他人より恵まれた資質を持っていたが、しかしそれらを活かす賢さは無く、台無しにする愚かさもたっぷり持っていた。短絡的に男と関係を持ち、だらだらと生きる。
「いつか大作を書く」と言っておきながら、その努力をしない。読んでいて歯がゆくなった。

前半、淋病を移すような酷い夫から逃げようと台湾から本土に脱出をし、大阪で頑張っているまでは彼女を応援していたが、後半のだらしがない静枝には共感できなかった。

終盤、お金もないのにヨーロッパやアメリカに行き、日本に残る秘書のコケシちゃんに金や薬(ヒロポン)を用意して送れだの、本当に酷かった。腹立たしくなるのだが、なぜか読み進めてしまう。これぞ林真理子マジック。

根っから非情な人ではなく、台湾から引き揚げてきた両親を引き取ったり、広島の被害者を支援したり、優しい一面もある静枝。
でもその優しさを保つ持続性は無く、すぐに飽きてしまう。残念。

帰国した静枝は子宮がんに侵されていて弱ってしまう。しかし女流作家としてのプライドを捨てきれない。

読了後は哀しさと、また「ああいうふうにはなりたくない」という気持ちが湧いた。
「ああいうふうに」とは人に迷惑を掛ける我がままな静枝(終盤)の資質だ。
私には後輩たちがいる。
彼らに接する時に私は静枝みたくなっていないか?とふと我が振り直してしまった。
(人に迷惑をかけない我がままってあるのか?謎。)