世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

津山事件

2010年05月20日 22時45分07秒 | Weblog
毎年、5月20日から21日未明にかけては、「津山三十人殺し」(筑波昭)を読むことにしている。


今年もこの日がやってきた。
亡くなった方もいるので興味本意であの事件に接してはいけないとは思いつつ、毎年この日になるといてもたってもいられなくなり、あの本を本棚から取り出して頁を捲ってしまう。

津山事件

72年前の1938年(昭和13年)5月21日未明。
僅か2時間弱という短時間で村人30人を惨殺した青年がいた。
都井睦雄だ。
明け方5時頃、猟銃の引き金を自らの足で引っ張って自殺。

「…もはや夜明けも近づいた、死にましょう。」

彼の遺書の結びはあまりにも物悲しくて、死ぬことを焦っている風にも感じられる。
結核になったことで小さな村で村八分になり、恋人からも振られて自暴自棄になってしまったのだろうか、睦雄。そんな言葉では言い表すことができない程の悲しみや憎しみが彼にあったとするならば、私は人間の精神の複雑さについて深く考えずにはいられない。

それにしても、彼はあまりにも多くの人を巻添えにしてしまった。
黒の詰め襟とゲートルを着用し、懐中電灯2本を両耳の上に差し、自転車用のライトを腹部で固定。猟銃と日本刀を振りかざし、「こらえてつかぁさい!」と逃げる村民たちを次々に殺めていった。それはあまりにも残酷で許されないことだ。

血生臭い村を疾走し、やがて山の上で自らの命を断つまでの彼の心理や、彼にそこまでさせたものについて考え出すと、…嗚呼、止まらなくなる。

もはや深夜も近づいた。
読みましょう。
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日常に埋もれている非日常

2010年05月20日 22時37分39秒 | Weblog
蒸し暑いなと思いながら、今日も一日ハードな就業時間を過ごした。
日経平均株価が1万円を割ったもよう。

日経平均、一時1万円割れ
【日経新聞 21:31】
 20日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、一時、約3カ月ぶりに1万円の大台を割った。終値は前日比156円53銭(1.54%)安の1万0030円31銭。欧米市場の金融規制強化や中国などのアジア株安が嫌気され、輸出関連株など幅広い銘柄が下落した。
 日経平均は午後に下げ幅を広げ、一時は187円25銭安の9999円59銭を付けた。取引時間中に1万円を下回ったのは2月10日以来。「欧米や中国など世界的に不透明要因が多く、株式には投資しにくい」(外国証券)。一方で国内企業の業績回復に期待した買いも入り、終値では1万円台を維持した。


夕方、社長と副社長に書類を渡しに行く。
他の建物の廊下を歩いていたら、前方に他部署の女性が歩いているのを発見。半年ぐらい前に入社してきた彼女は都内に詳しい遊び慣れた粋な人だと噂で聞いている。前々から話してみたいと思っていた。
よく見てみると彼女のスカートの裾、もしかしてパンツに巻き込まれている!?
やけに後ろだけ裾が短いぞ。
あ、彼女はしゃがみこんだ。
ストッキング越しにパンツ丸見え。
嗚呼、間違いない。
私は確信した。
背後からそっと彼女に近づいた。
「な、なんですか?」
彼女は驚いて私をじっと見つめた。
これではレズビアン疑惑をかけられてしまう。
客観的に我々を想像してみたら、イケてないレズビアンビデオの表紙のようではないか。
「花園オフィス~昼下がりの情事~」、「女獣!秘密のOJT」みたいな。
いやだわ、いやだわ。
いくら男日照りが長くて干魃状態が常習化していからといって…。
私は彼女のスカートがパンツに挟まっていることを静かに指摘した。
彼女は「あは~いやだわ~。ぎゃっはっは~」と笑いながら、スカートの裾を直した。
なんとなく私と気が合いそうだと感じた。
前々から話したいと思っていた彼女との最初の会話がパンツ…。
次回は都内のお洒落スポットをご教授願いたい。


仕入れ中の社長に書類を渡し、続いて副社長の元へ急ぐ。
またまた違った建物へ。
こんなに駆けずり回る仕事、体力的にあと何年できるんだろうか、とか思いながら、てくてくと歩いた。

すると前から眼鏡をかけた若人男子がチャリに乗ってやってくるではないか。
「ゲゲゲの女房」のしげる役みたいな草食系眼鏡男子キター!
目が釘付け。ちょっとした視姦。
その男子は長い足でペダルを上下させ、やがてその加速を緩めた。

何?
いきなりの告白タイム?
待って。心の準備が。

「あのう。役所にはどう行けば良いのですか?」
…なんだ。
知らないよ。
私、この町の人じゃないから。
それでも知らない旨を笑顔で伝える。
これは本能だろうか。


日常に埋もれがちなこんな非日常が今はただ愛しい。
あと何年この仕事をできるかだなんて不毛なことは考えるのはよそう。
こんな素敵な非日常を見つける心の余裕が、私の会社人としての寿命を長くさせるのではないだろうか。


先週購入した花束。
長生きしているのはトルコキキョウ。
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