晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

宇江佐真理 『髪結い伊三次捕物余話(十)心に吹く風』

2022-02-05 | 日本人作家 あ

プライベートな話で恐縮ですが、先日、なんだか右足の脛のあたりが痛くて、でもちょっと我慢すれば歩ける程度の痛みだったのですが、しばらくしたら赤くなって腫れてきたので、かかりつけ医に診てもらったら「整形か皮膚科に行って」と言われたので皮膚科に行ったら診断結果は「蜂窩織炎疑い」。細菌感染症ですね。そういえば、年末辺りから乾燥のせいか体がかゆくてよくボリボリ掻いてるので、そのせいかなあと。蜂窩織炎はほうっておくと入院なんてこともあるので、かかりつけ医は大事ですね。

以上、日本のプライマリケアについて考える。

 

さて、髪結い伊三次シリーズ。フリーランスの髪結いをしていた伊三次が町奉行の同心である不破の手伝いをすることになって・・・というのがこのシリーズのおおまかなあらすじなのですが、前の巻からメインの話が伊三次と不破の子どもたちになってきています。そういえば平岩弓枝さんの人気シリーズ作品「御宿かわせみ」もメインが子どもたちになりましたね。

同心の不破の息子、龍之進が(きい)という娘と結婚することになって、きいは不破家で暮らすことになります。祝言の日ももうすぐというときになって、ある大掛かりな捕物があって、龍之進は品川に泊まり込みになり・・・という「気をつけてお帰り」。

きいは、出かけた帰りに焼き芋を買います。すると、きいをじっと見る薄汚い身なりの娘が。その娘はしばらく飲まず食わずだというのできいは自分の焼き芋をあげます。それからしばらくして、水死体が見つかり、調べると、下手人は十六、七の若い娘だというのですが・・・という「雁が渡る」。

伊三次の息子の伊与太は絵の修業のため師匠のもとに弟子入りしていたのですが、兄弟子と揉めて家に戻ってきます。ほとぼりが冷めるまで龍之進の手伝いをすることに。というのも、龍之進がある事件の下手人の人相書きを伊与太に頼んで、それがきっかけで解決したのです。が、このことに父の伊三次は不満で・・・という「あだ心」。

伊三次の女房のお文は久しぶりにお座敷に呼ばれて、帰りに後ろから誰かがつけているとわかり振り向くとそこには五つか六つくらいの男の子が。どこから来たのと聞くと「あっち」と指を差しますが町の名前を聞くと「銚子」と答えてびっくり。寒い夜なのでとりあえず家に連れて帰ることにしたのですが・・・という「かそけき月明かり」。

お文が連れて帰った男の子は不破のもとで御用聞きをしている松吉の養子になってひとまず安心なのはいいのですが、ちょうど町奉行が探している盗賊一味の一人が、ひょっとしてその子の父親なのではないかと伊三次は考え・・・という「凍て蝶」。

龍之進の妹、茜に見合い話が。ですがそもそも茜に結婚願望はありません。といってこのまま独身というのも体裁が悪いので、そういえばとある大名家の奥女中で別式女(べっしきめ)という、奥方や娘の身辺警護をするお役目を募集しているという話があり・・・という表題作の「心に吹く風」。

 

どの作品も、ぐっと心に染み入ります。

 

 


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