晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

池波正太郎 『鬼平犯科帳』

2013-03-16 | 日本人作家 あ
この前「剣客商売」を読んで、まあ次は当然「鬼平」でしょ、
ということで、シリーズ1巻を買ってきました。

もう今さら書く必要もないですが、江戸時代の「火付盗賊改方」
の御頭、「鬼」こと長谷川平蔵、人呼んで「鬼平」が、大都市
江戸の治安を守る(ときには江戸の外でも捕物があったりしますが)
といった話。

若い頃は遊びまくって、それでも剣の腕は超一流の平蔵。

この時代の盗賊は、かつてのような「忍びに入った家が困るほどの
金盗らない、家の人を傷つけない、殺さない、女性に乱暴をはたら
かない」という、いわば不文律といいますか、”義賊”としての
”心意気”が失われ、大金をせしめるわ、一家惨殺するわ、女中に
乱暴はするわで、凶悪化していたのです。

短編になっていて、それぞれに大盗賊あるいはその一味が登場しま
すが、自滅するものあり、鬼平らの捜査で捕まるものあり、彼ら盗賊
一人一人のバックグラウンドも細かく描かれていて、ちょっと同情
したりもします。

鬼平の手下には、”元・盗賊”というのがいて、これは同心、与力と
いった今の警察組織を描いた時代小説を読むと、その下に「岡っ引き」
だの「下っ引き」というのが出てきて、彼らは大抵は元盗賊。
まあ”蛇の道は蛇”ということで、ワルの気持ちはワルがよく分かる
ということでしょうか。

中には、権威をカサにきて庶民に威張り散らしてる岡っ引きなども
いたそうですが、基本的には命拾いしてもらった人への恩義もあって
あえて”狗”になる、その代わり盗賊側に知られたら命の保証はない
という危ない状態。

平蔵が若い頃、剣術の練習に励んだ良きライバルである岸井左馬之助
という男が登場する「本所の桜屋敷」は切なくて、好きな話ですね。
名主の孫娘のおふさに淡い恋心を抱いた平蔵と左馬之助。
しかし、おふさは大店の女房になって、それがひょんなことから、その
大店とは離縁して、今では賭場を開いてる悪御家人の女に・・・

はやく2巻を買ってこないと。

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