晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

平岩弓枝 『江戸の子守唄 御宿かわせみ(二)』

2013-04-07 | 日本人作家 は
今のところ、書棚には時代小説のシリーズものとして、「鬼平」と
「剣客商売」と、「御宿かわせみ」の3つが未読として並んでいる
わけなのですが、順番的には先に「鬼平」か「剣客商売」を読む
つもりが、こっちを先に読んじゃいました。

さて、この「御宿かわせみ」のシリーズ2作目『江戸の子守唄』
は、主要キャストである、大川端の旅館「かわせみ」の女主人
のるい、兄が与力で現在は冷や飯食いの東吾、このふたりの関係
は、恋人以上夫婦未満とでもいいましょうか、夫婦同然ではある
のですが結婚はしていません。というのも、るいの亡くなった父
は、かつて”鬼同心”と恐れられていて、東吾の神林家とも付き
合いがあり(るいと東吾は幼馴染)、るいの家には後継がいなく、
るいは旅館をはじめ、東吾の兄夫婦に子ができなくて、兄はゆく
ゆくは弟に与力の後継をさせると公言していて、旅館の女主人と
与力の後継では身分が・・・ということがあるのです。

東吾は足繁く「かわせみ」に行っては泊まって、それを兄夫婦は
知ってるような知らないような。

表題でもある「江戸の子守唄」では、子連れの客が子供を置いて
夜逃げして、親を探しているうちに、ひょんなことから実の母親
が江戸にいることが分かり・・・

そのほか、東吾が夜の縁日でスリと間違われた「お役者松」、頻繁
に起こってる辻斬りの犯人を探す「迷子石」、植木屋の若い男の幼
なじみの女の話「幼なじみ」、かつて東吾と同じ道場で修行し、突き
の名人だった男が今では盗賊になっているかもしれない「宵節句」、
山崎屋という店の主人が奇妙な事件に巻き込まれる「ほととぎす鳴く」、
東吾の知り合いだという大和屋の主人の妻が、江戸の外れの王子で
殺された「王子の滝」などなど。

中でもジーンときたのが「七夕の客」という話で、「かわせみ」が
オープン5周年をむかえ、過去の宿帳を見てみると、毎年7月7日の
七夕に、決まって泊まる客がいます。40代くらいの女性と、木更津
在とだけ書いてある20歳くらいの男。毎年違う部屋に泊まっている
のですが、知り合いなのかも年の離れた恋人同士なのかも分かりません。

ある日、東吾は兄に頼まれて植木屋まで使いに出て、そこの主人から、
この近くの酒問屋に悪い噂があるというので、帰りがけにちょっと寄って
みると、番頭風の男が川沿いでやくざ風の男に財布を渡しているのを
目撃します。東吾は近所に住む下っ匹にやくざ風の男を追跡させます。
後日、このやくざ風の男が「女郎蜘蛛の松吉」という名うての悪という
ことを知り、松吉は品川まで出かけたとのこと。

酒問屋と名うての悪、それと七夕に「かわせみ」に泊まる女と男にどの
ような関係が・・・切ないです。

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