晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

万城目学 『鴨川ホルモー』

2011-10-12 | 日本人作家 ま
ついこの前、「鹿男あをによし」を読んで、こりゃ面白いと
いうことで、順番は逆になってしまったのですがデビュー作
を読んでみることに。

この作品が世間でじわじわ知名度が上がってきたときに一度
テレビでどなたかが絶賛していたのを思い出しました。

まあそれはさておき、荒唐無稽な出来事を「本当っぽい」話
に仕立て上げるといいますか、もうこれはおそらく天性のもの
と思われますね。

京都大学に入学した安倍は、アルバイトで葵祭のエキストラを
やることに。そこで出会った同じ大学の高村という男と祭が終わ
って歩いていたところ「京大生ですか?」と声をかけられます。

そして、チラシを渡されます。それはサークルの勧誘で、見ると、
正直いって怪しい文章とサークル名。

一応、代表者である菅原(通称「スガ氏」)の電話番号と、コンパ
の日時だけは聞きます。それからコンパのある日になりますが、
行く気は起きません。しかし安倍は二浪して大学に入ったという
ことで生活費くらいは自分で工面しようと決めており、連日、入る
気も無いサークルの新歓コンパに顔を出してはタダ飯を食べて食費を
浮かしていて、この怪しいサークル「京大青竜会」のコンパに行
ってみることに。

そこで安倍は、早良という新入生に一目惚れをしてしまいます。
もうこれでこのサークルに入る気になってしまったのです。

ところが、しばらくたっても、具体的な活動はせず、実体がよくわか
らなかったのですが、ある夜、新入生が集合をかけられ、スガ氏があ
らわれるのですが、その姿は青い着流しでさながら武士。
何を聞いても「とりあえずついて来て」というので新入生たちは後を
ついて歩くと、橋のたもとに、スガ氏の似たような格好の、しかし色
は違う、黒、白、赤の3人がおり、さらに彼らの後ろには、安倍たち
と同じく10人ほど引き連れていたのです。

そこで、スガ氏から、499代ホルモーから500代ホルモーの引継ぎ
が宣言され・・・

「ホルモー」とはいったい何なのか。安倍はなぜこのホルモーに
参加してしまったのか。
これに関しては、ちょっとでもネタばらしをしてしまうと面白さが半減
どころか台無しになってしまうので、とにかく読んでください、としか
書けません。

人に話せば「アタマ大丈夫?」というレベルのブッ飛んだ内容ですが、
現実的なストーリー(大学生活であったり、恋の悩みであったり)を
上手に織り交ぜて中和させていて、そのブッ飛んだ話も「面白エピソ
ード」くらいの温度にしています。


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