晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

池波正太郎 『仕掛人・藤枝梅安4 梅安供養針』

2017-02-02 | 日本人作家 あ
3巻までは短編でしたが、この作品は長編です。
なんとなくですが、主人公の設定上、短編だと
毎度毎度「人殺し」になってしまうので、長編
のほうがいいなあと思っていたところでした。

梅安がなじみの料亭を出たところ、神社の近くで
斬られて瀕死の状態の若い侍を見つけます。

近くの知り合いの医者に手当てをお願いして、
なんとか一命はとりとめたのですが、強く頭を
打ったらしく、自分がどこの誰か記憶がない
のです。
手がかりは、若い侍の羽織にあった、丸に揚羽蝶
の家紋のみ。

数日後、梅安に「仕掛け」の依頼が。聞けば相手は
女性だそうで、「女殺しは引き受けない」梅安でし
たが、いちおう話だけ聞いてみると、四千石の旗本、
池田備前守の奥方を仕掛けてほしい、と。

そこで池田備前守を調べてみると、あの若い侍の
羽織と同じ、丸に揚羽蝶の家紋だったのです・・・

この話と平行して、梅安の知り合いの浪人、小杉
十郎太の身に危険が。

そもそも小杉は、道場の後継者争いで小杉が指名
されて、この決定に納得がいかない旗本の息子たち
が小杉を暗殺しようとしますが返り討ちにあい、
梅安の紹介で小杉は大坂の白子屋菊右衛門という
香具師の元締のもとに。
そんなこともあり、江戸では小杉に恨みを持った
ものたちがいてまだ危ないのですが、小杉はある日
ひょっこり江戸に帰ってきます。
なんと、白子屋は小杉に「仕掛け」を頼んでいた
のです。約束が違うと梅安は怒り、小杉を仕掛人
から手を引かせようとしますが、すんなり諦める
白子屋ではなく、小杉と梅安が他の仕掛人の標的
に・・・

読み終わってからしばらく経って。このブログに
書こうとしてページをぱらぱらとめくって軽く
読み返してみますと、話が2つ3つと重なって
けっこう複雑に入り組んでいたことに驚きました。
つまり、読んでいたときは別に「複雑だなあ」とは
思わなかったということですね。

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