晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

池井戸潤 『ルーズヴェルト・ゲーム』

2020-05-15 | 日本人作家 あ
なんだか年がら年中、池井戸潤さん原作のテレビドラマをやってると思ってしまうくらいやってますね。

しかし、自慢にもなんにもなりませんが、まだ映像化した作品を一度も見たことがありません。あ、「一度も」ってのは大げさですね。ほんのチラリ程度ですが「半沢直樹」のシーンは見たことがあります。あとつい最近やってた「ノーサイド・ゲーム」もチラリと。

そんな与太話はさておき、やはり池井戸潤さんの作品は面白いですね。

主な舞台は銀行であったり会社であったり、いちおうは「経済小説」の括りになるんでしょうが、エンターテインメント感あふれる内容でページをめくる手が止まらずに気が付いたら読み終わってた、という感じ。

長引く不況の影響でリストラを考えなければいけない電気部品メーカーの青島製作所。かつては社会人野球の強豪、今やまったく勝てない青島製作所野球部もリストラ候補に。追い打ちをかけるように、監督と主力選手が引き抜かれます。しかしこの野球部、創業者の思い入れは強く、また一部ですが応援している社員はいて、部員もあきらめてはいません。そこに新監督が来るという話が。経歴を調べると、高校野球の監督経験はあるそう。

ベテランのスタメン固定制をやめて新人にも出番を増やすといった考えは、当然ですが新人とベテランの軋轢を生むことに。しかし新監督はしっかりとデータに基づいた守備陣地や打順構成で、部員たちも「あれ、俺らイケるかもしれない」という雰囲気に。

そんな野球部事情と並行して、青島製作所の会社としての話も。ライバル会社との値下げ合戦も体力的にキツく、社長の細川は決断を迫られます。そんな中、件のライバル企業の社長から経営統合の話が・・・

野球部は、社内の製造部野球チームと練習試合。普通にに考えると野球部の圧勝ですが、息をのむ展開に。それもそう、製造部のピッチャーは高校野球の名門出身で、エースだったそうな。さっそく監督は彼をスカウトに。ところが高校時代に部内暴力事件に関わったとして自主退部したというのです。彼に何があったのか・・・

企業経営や熾烈な取引合戦といった「会社」としての話と、社会人スポーツの社内における立ち位置や彼らの奮闘を描く「スポーツ」としての話と、ふたつの話が交差しつつ楽しめて、なんともお得感。

タイトルの「ルーズヴェルト・ゲーム」というのは、アメリカのルーズヴェルト大統領の言った「野球で一番面白いスコアは8対7だ」というもの。

何も関係ありませんが、滋賀県に「伊香(いか)高校」があり、千葉県に「多古(たこ)高校」があるのですが、いつの日かこの2校が対戦したら最高ですね。スポーツ新聞やテレビのニュースでも「イカ対タコ」と騒ぎになる事間違いなし。
しかも10対8で伊香高校が勝ったらなお最高。
コメント
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