晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

高田郁 『みをつくし料理帖 想い雲』

2017-08-19 | 日本人作家 た
気がついたらNHKのドラマ、終わってました。
じつは、第一話だけは見たのですが、原作にけっこう
忠実に作ってて、その時点でまだ2巻の途中あたりを
読んでて、ドラマを見ちゃったら本の内容が分かって
しまうと第二話以降は見ていないのです。

けっこう評判は良かったらしいので、いつか再放送
やってくれたら見たいと思います。そのころにはこの
シリーズも読み終わってると思います。

ざっと説明しますと、主人公の澪は江戸時代当時では
珍しい女性の料理人。大坂生まれで、幼いころに洪水
で両親を失い、料亭「天満一兆庵」の女将の芳に助け
られ、主人に料理の才能を見込まれます。
が、天満一兆庵は火事に遭い、助かった主人と芳と澪
は息子の佐兵衛に任せてある天満一兆庵の江戸支店へ
向かいますが、江戸支店は人手に渡っていて、佐兵衛
は行方不明。
主人は死に、芳は具合が悪くなり、澪は「つる家」と
いう蕎麦屋で働かせてもらうことに。

はじめこそ江戸と上方の味の違いに悩みますが、つる
家の主の種市や、馴染み客らの協力もあって、だんだん
と評判に。が、高級な料亭「登龍楼」から陰湿な嫌がら
せを受けるようになり・・・

また、澪には(野江ちゃん)という幼馴染がいたので
すが、幼少時代の洪水で野江ちゃんの行方が分からなく
なります。ところが、江戸の遊里、吉原で売れっ子の
「あさひ太夫」という花魁がひょっとして野江ちゃん
では・・・

さて、今作ではかつて佐兵衛といっしょに働いていた
料理人が登場。佐兵衛は江戸で何があったのか、なぜ
店がつぶれたのか、そして佐兵衛の行方は。

「つる家」の常連で戯作者の清右衛門が、坂村堂とい
う版元と店に来ます。時は夏。他の料理屋では暑気払い
にウナギを出しますが、安いが売りの「つる家」では
出せません。そこで坂村堂が「(う)のつく料理なら
いいんですよ」と教えてくれて・・・
という「豊年星 「う」尽くし」。

あさひ太夫の馴染み客が、夏バテ防止にとわざわざ鱧
を生きたまま大坂から江戸に運ばせます。が、あさひ
太夫のいる見世の専属料理人は鱧なんて捌いたことが
無く、澪にお願いします。が、見世の主人が「女が
作る料理などうちでは出せない」と・・・
という「想い雲 ふっくら鱧の葛叩き」。

「つる家」はもともと神田にあったのですが火事で
焼失し、現在は元飯田町に店を構えています。
「女料理人の店が神田にできた」と清右衛門と坂村堂
が言うので澪は行ってみると、なんと「つる家」跡地
に「神田つる家」という店があるではありませんか。
なんでも、澪の店が巷で評判なので、ろくに料理も
出来ない女を主人に見立てて勝手に屋号まで使って
いたのです。この「神田つる家」で食中毒があって
閉店します。ところが、客の中で澪のいる元飯田町
の「つる家」を「食中毒を出した神田の店の本店だ」
と言い出し、たちまち客が来なくなり・・・
という「花一輪 ふわり菊花雪」。

「つる家」の女中のおふきの様子がおかしく、澪が
聞いてみると、おふきの弟が奉公先が辛いとこぼし
ていて、でもおふきは「そんなこと言ったらだめ」
と注意します。ところがある日、弟の奉公先の人
が「つる家」に来て、おふきの弟が昨日から店に
戻らないと・・・
という「初雁 こんがり焼き柿」。

あさひ太夫は「野江ちゃん」なのかどうかという
ことに関しては、2巻で澪はほぼ確信していて、
今作の3巻で実際にそうだということが分かります。
が、澪は、吉原の遊女の頂点であるあさひ太夫に
「野江ちゃん!」と声をかけていいものか、また
あさひ太夫がどのような訳があって遊女になったのか
澪は知りません。「真の再会」ができる日は・・・

ますます面白くなってきました。このシリーズを
読み終えたら、他の作品も読んでみたいと思います。



コメント
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