晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

畠中恵 『ねこのばば』

2016-02-20 | 日本人作家 は
そういえば、テレビドラマ化した「まんまこと」をまだ買っていません・・・
それ以前に、本屋に行けてません・・・

というわけで、とりあえず「しゃばけ」シリーズの3作目です。

江戸の大店「長崎屋」主人の息子、一太郎。小さいころから病弱で出歩くのもままならないほど。ずっと寝てばかりいて特殊能力でも身についたのか、一太郎は普通の人間には見えない妖怪が見えるのです。
じつをいうと、長崎屋の2人の手代、佐助と仁吉も普段は人の姿をしていますが、妖怪なのです・・・

そんな一太郎と妖怪が、次々起こる難事件を解決していくという、江戸ミステリーといいますか、捕物帳といいますか。

「茶巾たまご」では、いつもと違って食欲旺盛な一太郎。ですが、茶巾たまごという砂糖がたっぷりかかった料理だけは受け付けなく、2人の手代からせかされてようやく食べると「ガチッツ」と固いものが。口の中からなんと金の粒が。最近、別の店から移ってきた、見た目は疫病神のような手代、金次がひょっとして福の神・・・?

「花かんざし」では、一太郎と2人の手代が出かけていると、小さな女の子が、妖怪の小鬼を掴んでいるではありませんか。普通の人間には妖怪は見えないし触れないはずなのに、この「於りん」という迷子の女の子は何者なのか。住まいは深川とわかったのですが、於りんは帰りたがりません。「家に帰ったら殺される」と・・・

「ねこのばば」は、前に一太郎が悪い妖怪を退治するときに妖怪に効力の強い護符を頂いた上野にあるお寺で、坊主が首をくくって死んでいたのが見つかります。そして、この寺では猫又という妖怪がつかまっているよう。寺の境内の松の木には、たくさんのお守りが結ばれていて、と不思議な事件が・・・

「産土」は、2人の手代のひとり、佐助の話。佐助は妖怪の名前を「犬神」というのですが、かつて犬神が手代として働いていた店の周囲で不思議なことが。それは、次々と店がつぶれていくのです。不審に思った犬神は調べていくと、つぶれた、あるいはつぶれると噂の店にはある共通点が・・・

「たまやたまや」では、一太郎の幼なじみで菓子屋の息子、栄吉の妹お春に縁談が。相手は庄蔵という男で、大丈夫な男かどうか一太郎は興信所よろしく人物調査をすることに。聞き込みによればあまりいい噂は聞かれず、別に想っている女がいるとか。真意を確かめようと一太郎は庄蔵のもとへ行きますが、なぜか庄蔵は侍に追われてる様子。すると一太郎も巻き添えに遭い、侍に捕らわれて・・・

妖怪の力を借りて事件を解決、と聞けば、それこそゲゲゲの鬼太郎的な派手なアクションを想像するでしょうが、そんなことはなく、派手さという印象はありません。なんていうんでしょうか、文体がおだやかなんですね。



コメント
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