晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

畠中恵 『ぬしさまへ』

2016-02-01 | 日本人作家 は
去年ですか、NHKで「まんまこと」という時代劇をやっていて、それがけっこう面白かったのですが、エンディングロールで「原作・畠中恵」とあって、あれ、この作家の本うちにあったはずだぞ・・・と探したら、このブログでも4年前に「しゃばけ」という作品を読んでましたね。
本屋に行って「まんまこと」を探したのですが置いてなくて、別の作品を買ってきました。

『ぬしさまへ』は、「しゃばけ」シリーズの第2弾。

江戸の廻船問屋「長崎屋」の主人の息子で、病弱な一太郎が主人公。ひとりで外出もままならないほど病弱で、いつも佐助と仁吉という2人の手代がつきっきりで一太郎の世話をします。
ところが、実は2人の手代は妖怪なのです・・・。
病弱という特異体質のせいなのか、一太郎は人間には見えない妖怪が見えて、さらに会話もできます。というわけで一太郎の部屋には妖怪がうじゃうじゃ。佐助と仁吉は普段は人間の姿に化けているときは他の人とも接することはできます。

一太郎が2人の手代とその他の妖怪たちとで難事件を解決していく、短編の推理小説の形式となっております。

手代の仁吉が、ある懸想文(ラブレター)をもらうのですが、あまりに字が汚くてかろうじて読めるのが「ぬしさまへ」だけ・・・という表題作。
一太郎の幼なじみで菓子屋の栄吉の作った菓子を食べた人が死んだ・・・という「栄吉の菓子」。
桶屋の飼い猫が殺されて、主人の奥さんは、猫殺しを奉公人の松之助と決めてかかります。この松之助、じつは一太郎の兄で・・・という「空のビードロ」、
ある夜、一太郎の部屋から女性の泣く声が。どうやらその音の出どころは、先日新調したばかりの布団で・・・という「四布の布団」、
妖怪なのですが人に化けてるときは二枚目で女性から人気のある仁吉ですが、当人はまったく興味のない様子。すると、佐助が、かつて仁吉には想い人がいたと一太郎に教えるのです・・・という「仁吉の想い人」、
ある日のこと、どうも一太郎のまわりの様子が変。2人の手代はまったく相手をしてくれず、他の妖怪の姿も見えず・・・という「虹を見し事」。

「仁吉の想い人」で、一太郎がなぜ妖怪が見えるのか、また、両親が病弱の一太郎を尋常ではないほど可愛がり甘やかす理由などが明かされます。

「しゃばけ」を読んだときは、けっこう面白かったのですが、その時点でシリーズの続編は出ていたのですが、どうにも読もうとは思わなかったようですね。それでようやく2巻を読むことに。もうすでに3巻もスタンバイ。
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