晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

大石直紀 『武士の献立』

2015-07-09 | 日本人作家 あ
この本は、映画のノベライズ版です。ので、「作者」ではなく、正確には「著者」ですね。

ちなみにこの本を本屋で手にしたときは「あ、これ映画であったな」ぐらいの興味で、著者名をしっかりとは見てなかったのですが、あれ、どっかで見たことあるな・・・と表紙の裏にある著者の来歴を見ると

【九八年『パレスチナから来た少女』で日本ミステリー文学大賞新人賞~】

とあり、家の書棚を見てみると「パレスチナから来た少女」がありました。なんとなく話はおぼえてるな・・・ぐらいだったので、このブログで確認してみると、7年前に投稿してました。

江戸時代、加賀藩江戸屋敷の見習い奉公女中、春という女性が主人公。
春は、藩主の側室、お貞の方の居室で食事を作っています。ある日のこと、江戸屋敷で宴席があり、そこで出された料理の材料当てクイズがあり、そこで春は食材を言い当てます。
それが加賀の国許で料理方を勤める舟木伝内が春のことを気に入って、息子の嫁にというではありませんか。

しかし春はバツイチ。しかも原因は春の気の強さ。さらに話を聞けば舟木の息子は春より年下。それでもというので、お貞の方もそうしたほうがよいと言ってくれたこともあり、春は加賀へ。

そこで、夫の安信と会うのですが、安信は料理に無関心。料理方をいづれ継ぐのですが「包丁侍」とバカにされるのが心底嫌で、剣術の稽古に熱心な様子。このままでは埒が明かないので、春は安信に料理対決を申し込みます。春が勝ったら料理を教わる、安信が勝ったら離縁・・・

ちょうど時代は「加賀騒動」のゴタゴタの最中。舟木家はもちろんのこと、お貞の方まで巻き込まれるので加賀騒動の中身は書けません。

読み終わってちょっとあとに、新聞で、東京都板橋区にあった加賀藩の下屋敷のことが特集されていて、今でもこの辺りには「加賀」「金沢」という地名や学校名として残っていて、その面積は今の地図にあてはめてみたらとてつもないデカさでビックリしました。
そもそも上屋敷が今の東京大学本郷キャンパスのあの土地ほぼ全部ですから、それを考えたら加賀藩って凄かったんだなあと妙に感心してしまいました。

コメント
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