晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

鷺沢萌 『君はこの国が好きか』

2014-05-07 | 日本人作家 さ
これで鷺沢萌の作品を読むのは3作目。ここまで読んで感じたのは、
もっと若いころに読んでおけばよかったな、ということ。

なんといいますか、もっと多感な時期に。

『君はこの国が好きか』ともう1作「ほんとうの夏」では、ともに
在日韓国人3世が主人公。

「ほんとうの夏」は、大学生の俊之が、付き合ってる彼女を大学に
車で送っていくところからはじまります。うっかり事故を起こして
しまいますが、俊之は彼女に早く降りろと怒るように言います。
その剣幕に泣き出し、車を降りる彼女。
警察がきて、俊之は免許を出します。そこには「氏名 朴俊成、
国籍 韓国」とあります。

俊之は今まで生きてきて在日だという”負い目”は感じたことは
ありませんが、同じ在日の友人に事故の件を話すと、やはり俊之
には潜在的に”引け目”があるのだと指摘されますが・・・

そして『君はこの国を好きか』では、在日3世の木山雅美、李雅美
は日本の大学を卒業してアメリカに留学。そこでルームメイトに
なった韓国人に「私は韓国人だ」と自己紹介しますが、まったく
韓国語を喋れないことにルームメイトは不思議がります。

雅美も自分が何者なのか考えることになり、ハングルを教わって
その魅力にとりこになって、アメリカ留学を終えると今度は韓国に
留学します。

そこで出会った在日のクラスメイトたちとの交流、そして「近くて
遠い」日本と韓国の文化の違いを肌で感じて・・・

これは私事ですが、海外留学をしているときにたくさんの韓国人と
交流を持ち、その関係すべてが上々だったというわけではありませんが、
今にして思えば総合的に良かったと思います。
彼等はこうだと決め付ける前に、最終的には人対人。

あるマンガでの印象に残っているセリフで

「すべての問題が愛情で片付くとは思わないけど、愛情抜きで片付く
問題はおそらくない」

この言葉は心の拠り所ですね。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする