晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ボストン・テラン 『神は銃弾』

2011-09-12 | 海外作家 タ
なんとなくですけど、夏の寝苦しい夜は、ノワールが合う
ような気がしますね。なんとなく、ですけど。

というわけで、アメリカのノワールといえば、ジェイムズ・
エルロイと、ボストン・テランくらいしか思いつかなくて、
とりあえず手にとってみたのがテランのデビュー作。
アメリカ探偵作家クラブ(MWA)最優秀新人賞ノミネート、
ならびに英国推理作家協会(CWA)最優秀新人賞を獲得
したそうです。ちなみにMWAの新人賞は、エリオット・
パティスンの「頭蓋骨のマントラ」という作品で、こちらは
だいぶ前に読みました。ただ疲れた、という記憶しかありま
せんが。

カリフォルニア州の刑事、ボブは、別れた妻に引き取られた
娘ギャビと、ちょっとした「あいさつ」を夜のパトロール中
にするのが楽しみ。
それは、家の近くを通ったときにパトカーの明かりを点滅さ
せると、娘も部屋のライトを点けたり消したりする、という
もの。ところが、ある夜、家の前を通っても、娘の部屋は暗
いまま。

その時間帯、ボブの別れた妻、サラと再婚した男、サムは、
惨殺されて、娘のギャビは謎の集団に連れ去られて・・・

あまりに惨い殺され方をしたサムとサラ。そして行方不明
の娘。ボブは調べていくうちに、「左手の小径」というカルト
教団がこの犯罪に絡んでいるのでは、と考え、その教団から
命からがら逃げ出して、今は麻薬中毒の治療をしている、
ケイスという女性をたずねることに。

しかし、ボブの上司であるジョン・リーや、サラの父親で、
かつての義父のアーサーは、ボブが捜査することを、どこか
嫌がっているような感じがするのです。

ボブはケイスに会い、犯行現場の写真を見せると、ケイスは、
これはやつらの仕業だと断定し・・・

そして、ケイスとボブは、「左手の小径」のリーダー、サイラス
を探しに、娘はまだ生きていると信じて連れ戻しに向かうのです
が・・・

この事件には、25年前の、トレーラーハウスの中で殺害された
女性が絡んでくるのですが、それがサムとサラが殺されてギャビ
が誘拐されたこととどう関係しているのか、という背景というか
過去は重要なカギではあるのですが、そんなことはお構いなしに、
まあ全体的に“ブッ飛んで”いるといいますか、運転の荒い人の
車の助手席に乗ったような気持ち。

コメント
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