やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

『マーラーの交響曲』

2012-03-17 | 本や言葉


金 聖響氏、玉木 正之氏による、『マーラーの交響曲』(講談社現代新書)を読む。
『ベートーヴェンの交響曲』、『ロマン派の交響曲』に続くもので、次はモーツァルトらしい。

このシリーズは、金 聖響氏が指揮者の立場からそれぞれの交響曲の面白さを語るもので、妙に片意地張ってゐない、でも、”譜面を買って読んでほしい!”といふ金氏の熱い言葉が、全篇に漂ってゐて、もちろん、かなり専門的な話もあります。

特に、今回のマーラーは、彼自身が神奈川フィルと全曲演奏を敢行してゐる最中での出版といふことなので、特に語り口が熱い!

また、3.11の翌日、3.12に6番の『悲劇的』を演奏する予定だったとかで、先だってのハーディング/新日本フィルのエピソードも生々しく盛り込まれてゐます。

今回特に興味がわいたのが、金氏が、8番《千人》、《大地の歌》、そして9番を続けて聞くと面白い、といふくだりで、おそらく4時間ほどになるでせうが、今、新たな演奏会の動画を見つけて1枚のDVDに落として聞くつもり、です。

さうすることで、マーラーの宇宙が、野望が、希望が、絶望が、足掻きが、何よりもアルマへの必死の愛が、わかるといふのです。