やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

3.11 マーラー

2012-03-14 | 雑記


久しぶりに行った県立図書館の中庭は、まだ雪がタップリでした。
でも穏やかな日差しが降り注いでゐて、春の近さを実感します。

3.11も無事に過ぎて、当日、色々な番組が特集されてゐましたが、ほとんど見ませんでした。
(どの局も、前日までは、素っ頓狂な芸人番組ばかり流してゐたのに、当日は、朝から神妙な顔つきをして…)
ただ、二時半過ぎの式典の模様だけ少し見ました。
役人が書いた(のかしらん)やうな首相の言葉は、ほとんど説得力も感動もなく、逆に、天皇の言葉の方が、低い目線で、自分の言葉で語られてゐて、素直に心に入ってきました。

先日、NHKで興味深い番組を流してゐました。
あの震災の当日の夜! 、墨田区のホールで、ダニエル・ハーディング/新日本フィルに依る演奏会が決行された、といふ。

主催者側は、建物とお客の安全を確保して、一人でも来られるのならと、決行したといふ。
結果的には、93人のオーケストラと、105人の聴衆ー。
演奏されたのは、マーラーの5番の交響曲。

その演奏の模様は、施設側で録画された定点カメラの録画で見られました。
異様な雰囲気の、異様な恐怖と緊張感に包まれた演奏会の模様ー。
番組の放送がこの時期だったのは、1年といふこともあるのでせうが、わずかな聴衆の方々の承諾にも時間がかかったやうです。
その時には、まだ福島の原発の事故は報じられてなかったはずですが、津波で死に行く人々がゐるなかで、”音楽なんて、聴いてゐてよかったのか?”といふ自問を納得させるのに、1年がかかった人が多かったやうです。

けれど、その極度の緊張感に包まれた演奏は、奏されたマーラーにこそ相応しいものだったやうな気が致します。