やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

哭きの、ブラームス

2012-03-05 | やまがた抄
ブラームスが、好きです。

豪快な協奏曲、陽と陰が裏表の室内楽、呟くやうなピアノ・ソナタ、ストイックに美しい合唱曲や歌曲、等々ー。
でも、やはり、交響曲を沢山聴きます。

全部でたった(!)4曲きり残さなかったので、全曲といっても4曲。CDで3~4枚分。
ですから、棚には色々な指揮者の演奏が、あまたあります。
そのなかで、小生のベスト3は、質実剛健なルドルフ・ケンペ/ミュンフェン・フィルの演奏、音色の美しいイシュトヴァン・ケルテス/ヴィーン・フィルの演奏、そして、耽美的ともいへるサー・ジョン・バルビローリ/ヴィーン・フィルの演奏、です。

そのバルビローリの演奏では、特に、2番と4番が素晴らしいのですが、久しぶりに聴いて、その哭き節に心が満ち足りました。

Brahms : Symphonie nr. 4 in e-moll op.98 - I Mov. - Wiener Philharmoniker , Sir John Barbirolli


4番の出だしー、ピリオド奏法が全盛の現代では、まうこんな演奏をするひともゐないでせう。
過去の代物だ、大時代の演奏だ、時代錯誤だ、ともいへるかもしれません。

でも、けれど、この哭いてゐるブラームスの姿は、この曲が作曲されてから十数年後、愛するクララ・シューマンに死なれ、葬式に間に合はなかったブラームスが、やっとたどり着き、すでに埋葬されてしまった墓にひざまずいて号泣したといふ(慎重居士のやうに思はれてゐた、ヨハネス・ブラームスが!)エピソードの一点と見事にリンクする姿でもあります。