先日、携帯を便器の中に落とし、応急処置をしていつもの販売店へ持っていったものの、やはり一部機能不全になり、同機種を取り寄せました。
(友人は、”大”の使用後ではなくてよかった、と笑ってゐましたがー)
データは何とか取り出せましたが、着信音は再度のダウンロードをせねばならず、
サイトを見てゐると、モーツァルトのオーボエ協奏曲があり、珍しいので電話の着信音はこれにしました。
(今までは、バッハのブランデングルク協奏曲の5番、メールの着信音も同じくバ ッハのマタイ受難曲の終曲でした。
以前、モーツァルトの”夜の女王のアリア”の時は、その出だしに知人がビック リし、不評でしたのですぐに止めましたが…)
何故、オーボエ協奏曲が入ってゐるのかといぶかしく思ったら、
テレビの「のだめカンタービレ」に使はれてゐる曲らしく、納得でした。
(先日、少し見た同番組で、のだめが、ラフマニノフを弾いてゐました。この番組に使はれる曲は、かなり渋いものもあって、小生も感服です)
全曲を聴きたくなって、ハインツ・ホリガーのディスクを探したのですが、出てこず、ベームがヴィーン・フィルのメンバーと録音したディスクで聴きました。
オーボエはゲルハルト・トレチェック。
カール・ベーム指揮のヴィ-ン・フィル。
1974年の録音。
モーツァルト22歳の時の作品の演奏としては、すこしどっしりとし過ぎてゐて、
ギャラントな華やかさが少ない気もしますが、演奏そのものは安心して聴けるものです。
第2楽章の、深々とした演奏は、やはり聴き入ってしまひます。
続けて、同じディスクに入ってゐるクラリネット協奏曲(プリンツのクラリネット独奏)を久しぶりに聴きました。
死の2ヶ月前に創られたこの曲は、同じ年に完成された最後のピアノ協奏曲にくらべ、もはや、生き抜く勁い意志はなく、
彼岸への憧れを望むやうに、静かに自らの幕を引かんとしてゐるかのやうです。
翌月、モーツァルトは病床につき、再び起き上がることはなくなるのですが、
奇跡のやうに美しい、ただただ美しい音楽です。
モーツァルトの命日が近い、です。