1927年にVickers社とArmstrong whitworth社が合併したのでVickers Armstrng Wellingtonと呼ばれますが、1936年に同期で登場したホイットレー爆撃機がArmtrong Whitworth Whitleyと呼ばれる事が多いのでこちらはVickers Wellingtonの方が通り良いようです。むしろ漫画のキャラクターからWimpeyの愛称で呼ばれる事が多いと言われます。英国空軍はランカスター等の4発大型爆撃機が実用化されるまで双発のこれら爆撃機(他にもハンドレページハンプデンやブリストルブレニムなど)を使用するのですが、中でもWellingtonはMk14まで様々な派生型が作られ、大戦を通じて計5,000機が作られました。本機の特徴は大圏式構造と呼ばれる細いリボン状の鋼材を籠を編む様にして骨格を形成し、それに羽布を張って縦通材や肋材を使わずにプレハブ建築の様な軽量化を果たした点にあります。模型でも胴体や翼の網目模様にその特徴が現れていますが、量産には向かない構造ながら損傷に強く、パイロットからの信頼が厚かったと言われます。前後に先進的な回転式砲塔を備えたWellingtonは無線方位探知機や航法士席にドームを設けるなど昼間爆撃用の装備を持っていましたが、1939年12月のドイツウイルヘルムスハーフェン爆撃で24機中10機を撃墜される損害を得てから夜間爆撃専用に転化されてゆき、上面のみ迷彩が残る塗装になります。BIIIはBristol Hercules II、星形14気筒1,380馬力エンジンを搭載して最高速度410km、航続距離3,540km、爆弾搭載量は4,000ポンドでした。
模型は30年前に米国で購入した物で中古だったかもしれず、ビニール袋内にパーツが入っておらず、いざ作ろうとした時に操縦席の風防がないことに気づきました。やむなく最近購入したAirfixのホイットレー爆撃機に2種類の風防が入っていたのでそれを流用して何とか形を付けました。整合は古いなりにけっこう努力が必要でしたが、それ以外は割と良くできていてWellingtonの特徴が出ている模型だと思いました。夜間爆撃の好敵手だったかも知れないフォッケウルフのナハトイエーガーと並べてみました。
Wellington IIIの実機 銃座の様子が良くわかり、多数の出撃マークが書かれている。