Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

一人勝ちするアマゾンに誰が挑むか

2017-01-25 21:04:06 | Weblog
自分のアマゾン依存度は、最近ますます高まっている。米国に滞在しているため、邦書はほとんどKindleで買うようになった(紙の本しかなく、どうしてもほしい場合は紀伊國屋書店NY店まで行くが)。最近、Kindle Unlimited にも入った。無料試用期間中だが、値上げがない限り継続するつもりだ。

同時に、米国のアマゾンも利用している。まれに洋書(紙)を買うが、どちらかというと米やトイレットペーパーなど、かさばるものを買っている(日本のビールも扱っていればいいのだが・・・)。送料を節約するためプレミアム会員にもなった。そういえば映画をまだ見ていないことを思い出した!

といっても、このままアマゾンの進撃が続いて、あらゆる小売業を支配するようになることには不安がある。競争相手も成長し、健全な競争が維持されてほしい。本書によれば、米国でオンラインでアマゾンに対抗しているのは、実はウォルマートである。意外に思ったが、ピーポッドも健闘している。

アマゾンと物流大戦争 (NHK出版新書)
角井亮一
NHK出版


著者は物流(ロジスティクス)の専門家なので、特にその観点からアマゾンとの競争を分析している。日本でアマゾンのライバルというと楽天が思い浮かぶが、物流面の強さを考えると、ライバルはヨドバシカメラやアスクルなのだ。物流はもちろん、流通全体に知識の乏しい自分には学ぶところが多い。

巨人どうしの競争ばかりではつまらない。米国でのベンチャー的な小売業の例も紹介される。オフラインの店舗は商品展示や顧客とのリレーションづくりに徹し、決済や配送はすべてオンラインで行うのは、確かに合理的に思える。ザッポスのような、徹底した顧客サービスや返品ポリシーにも感心する。

本書は現在 Kindle で 399 円で販売されており、アマゾンの巧みな価格政策につられて購入した。もちろん紙のほうを買っても、十分お得な本だと思う。オムニチャネルについても勉強しなくては・・・