先日学会でお会いしたばかりの慶應義塾大学の里村卓也先生から新著を献本いただく。「Rで学ぶデータサイエンス」シリーズはすでに何冊か持っているが,いよいよマーケティング・サイエンス(MS)の主な手法に対応した巻が登場した。カバーされているのは集計モデル(市場シェアモデル,普及モデルなど),選択モデル(ロジット),潜在クラスモデル,そして MCMC など。いずれも MS の基本中の基本である。
R で学ぶマーケティング・サイエンスの教科書としては,照井,伴,ドニ ダハナの各先生らによる『マーケティングの統計分析』がすでに存在する。そちらがより多くの手法を要約的に紹介しているのに対して,こちらは上述の基本手法について詳細な R のコードを記載するなど,より詳しく解説している。MS を専攻する院生,それと同等の知識を持つ実務家が,実際に使おうとするときに大変役に立つ本だと思う。
ぼくは前から R に関心だけはあり,いくつも参考書を買い,学生にも奨めてきたが,結局自分ではほとんど利用していない。周囲の学生が R を使う状況にはないので,自分も使わなくてすむ。自分だけであれば使い慣れた?MATLAB で十分だが,ここまで詳しくコードが公開されたことで,MATLAB での分析にも参考になるかもしれない(R にしかない関数があるかもしれないが・・・)。それとも R へ移行する・・・?
それにしても,これから MS を学ぼうとする人々は幸福である。レベルの高い教科書が各種揃っているという点で,日本は他に類をみない MS 先進国かもしれない。それが MS の「主流」から外れつつある自分にとってどういう意味を持つかは,まだよくわかっていない。
マーケティング・モデル (Rで学ぶデータサイエンス 13) | |
里村 卓也 | |
共立出版 |
R で学ぶマーケティング・サイエンスの教科書としては,照井,伴,ドニ ダハナの各先生らによる『マーケティングの統計分析』がすでに存在する。そちらがより多くの手法を要約的に紹介しているのに対して,こちらは上述の基本手法について詳細な R のコードを記載するなど,より詳しく解説している。MS を専攻する院生,それと同等の知識を持つ実務家が,実際に使おうとするときに大変役に立つ本だと思う。
ぼくは前から R に関心だけはあり,いくつも参考書を買い,学生にも奨めてきたが,結局自分ではほとんど利用していない。周囲の学生が R を使う状況にはないので,自分も使わなくてすむ。自分だけであれば使い慣れた?MATLAB で十分だが,ここまで詳しくコードが公開されたことで,MATLAB での分析にも参考になるかもしれない(R にしかない関数があるかもしれないが・・・)。それとも R へ移行する・・・?
それにしても,これから MS を学ぼうとする人々は幸福である。レベルの高い教科書が各種揃っているという点で,日本は他に類をみない MS 先進国かもしれない。それが MS の「主流」から外れつつある自分にとってどういう意味を持つかは,まだよくわかっていない。