Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

再び「感染」されたい

2008-10-06 21:40:26 | Weblog
昨年,国内外の学会で発表してきたのが,消費者間ネットワーク上のクチコミ伝播プロセスのシミュレーション研究である。すでにいろいろな取り組みがあるなか,いかにして独自性と現実性を出すのか,課題は山ほど残っている。こうした問題に取り組む基本として,疫学における感染のモデルをきちんと勉強しておかなくてはならないのに,実はそこをサボってきた。

最近出たばかりの以下の本の下巻は,まさにそれを扱っている。探し方が悪かったのか,これまでこうしたテキストには巡り会わなかった。さて,あとはいつこれを読むか・・・ あるいは,クチコミ伝播のモデル研究を再開するかだが,いま,それを考えている余裕がない。ここ数ヶ月は,他に片づけることがびっしりある(という言い訳によって,これまで何と多くの研究を中途半端なままにしてきたことだろう・・・)。

生物集団の数学〈上〉人口学、生態学、疫学へのアプローチ
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生物集団の数学 下―人口学・生態学・疫学へのアプローチ (3)
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研究とは,それが人間の行為である以上,自分を取り巻く「ネットワーク」から自由ではあり得ない。だから,いまは「サービス」と「クルマ」でキリキリ舞し,さらにもっと強い「授業」という縛りでグルグル巻きにされている。こういう拘束を打ち破るのが,風に乗ってやってくる「細菌」だ。熱病にうなされるように,新たな「研究」の虜になりたい,という不謹慎な夢をつい抱いてしまう。