HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

近田春夫&ハルヲフォン / COME ON, LET'S GO

2004-11-17 20:11:37 | 日本のロック・ポップス
76年発表のハルヲフォンとしての1ST。
ロックンロールとポップスの魅力を、ニュー・ウェーブの
センスで加工した傑作。歌謡曲の良質な部分も勿論
混ぜられている。そっと忍ばせられた転調の魅力と
変拍子、一筋縄ではいかない。

ストレートではなく、間にワン・クッション置いたような
そのバンドの立ち位置が、多くの支持を得たわけではないが
聴いた者の頭に微熱を残す。
近田春夫の洋楽至上主義じゃないところが、実にいい。
ハルヲフォンのメンバーには元村八分の恒田義見が参加し、
近田とリード・ボーカルを分け合っている。

ジャケットには「HARUOPHONE TOKYO」とある。
ピンクフロイドやディープ・パープルの機材には
「PINK FLOYD LONDON」とか「DEEP PURPLE LONDON」
なんて印されていたが、76年の東京の音として
放たれたこの音は2004年の今でも十分刺激的である。

数枚のアルバムを残した後、ハルヲフォンは解散し、
近田春夫も次の路線での音楽活動に移行する。
もう一度、こういうアルバムを作らないかなあ・・。
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THE BEACH BOYS / SURF'S UP

2004-11-17 17:28:30 | ROCK
ブライアン・ウィルスンの新作「スマイル」は素晴らしかった。
アマゾンで購入し、同時に届いたルースターズの箱、MC5の箱の封を
なかなか開封するに至らず、しばらく繰り返して聴いた。
新録音の中に、断片的に過去の録音も混じっていたりもしたが
ファンもブライアンも憑き物が落ちたであろう、会心の一撃である。

私は取り立ててブライアン信者でないので、いない時期のアルバムや
今では軽い扱いの初期も嫌いではない。一番すきなのは
「スマイリー・スマイル」であるが、「スマイル」の断片が
垣間見えるこの「サーフズ・アップ」も好きである。

71年発売のこのアルバムはフラワー・ムーブメントも
終わった時代背景もあるのか、社会派(?)な歌詞が目立つ。
1曲目の「DON'T NEAR THE WATER」や5曲目の
「STUDENT DEMONSTRATION TIME」に顕著である。
しかし、耳は自然とメロディの美しい曲に向いてしまう。
「SURF'S UP」はもちろんだが、やはり「DISNEY GIRL」だろう。
ブルース・ジョンストン一世一代の名曲であり、
個人的にはビーチ・ボーイズ名曲ベスト5に入る。
改めて全体を聴くと、そこはかとなく地味なサイケ風味さえ
感じる。いいアルバムだ。

サーフィンは終わってもビーチ・ボーイズはまだまだ続く。
私はディズニー・ランドには行かないだろうけど・・・。
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HERON / HERON

2004-11-17 12:22:40 | ROCK
発泡酒かビールか忘れたのだが、バンドが野原で
演奏するCMがあった。スロバキア民謡「おお牧場は緑」
のメロディーがなんとも微笑ましかったし、酒も美味そうに見えた。
そして、ヘロンのことが頭に浮かんだ。

裏ジャケットに写真があるように野外での録音、鳥の声も
聞こえる70年発表の1STがこれである。
スタジオでは得られない音響なり効果を求めて
録音した例としてはザ・バンドの最初の3枚や、
ホテルの廊下で録音したディープ・パープル等が
有名だが野外となるとそれほど例がないのではないだろうか。
このアルバムからブリティッシュ・フォークの世界に
入っていった人も多いと思う。
温かみのある音と秀逸なメロディーの
数々が人々の心を惹きつける。

現行CDはアルバム以前に発表した4曲入りシングル(こちらは
スタジオ録音)が、かわいらしく8cmCDで添付されている。
ディランの「ONLY A HOBO」のカバーを含むこのシングルは
激レアだったのでCDを入手した時は嬉しかった。

ヘロンはその後1枚のアルバムを発表(これも傑作)して解散するが
80年代に再結成され、CDR作品を含む良質なアルバムを
現在も発表し続けている。
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BRUCE PALMER / THE CYCLE IS COMPLETE

2004-11-17 11:53:53 | ROCK
バッファロー・スプリングフィールドのベーシストのが
70年に発表した唯一のソロ・アルバム。ニール・ヤングと同じ
カナダ生まれ。ニール&ブルースの出会いこそがバッファローの
初めの一歩だったのである。

この男、ラヴィン・スプーンフルにおけるザル・ヤノフスキーと
同じで素行が悪かったのかグループの問題児となる。
麻薬所持で何度か逮捕された後、国外退去処分となり、グループを
脱退。その2年後に発表されたのがこれである。

バッファロの音とは似ても似つかぬ、サイケデリック・ワールド。
長尺の曲が4曲、どんと並ぶ。いや、どろりんと並ぶ。
カレイドスコープのメンバーも加わって、インド風味も加味された
曲調に様々な楽器が加わる。この1曲というのが
あるわけではないのだが、流して聴くとなんとも
リラックスできるのである。
このアルバムのあと、音楽活動らしきものがしばらく見当たらない
のだが、ニール・ヤングの問題作(私は結構好きです)「トランス」に
参加、ツアーにも帯同している。
何故「トランス」だったのか、わかる気がするし
そうでない気もする。
とりあえず、サイケな音が好きな人であれば気に入るであろう
アルバムなので、お勧めする。万人向きではない。
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殺ったのは誰だ?

2004-11-17 09:34:58 | DAY BY DAY
CCCDや、ファイル交換ソフトを使ったやりとりの
問題が話題に上って久しい。輸入CDの話は記憶に新しいだろう。
私もメジャー・カンパニーの了見の狭い発送に
反感を覚えた一人である。しばらく東芝EMIの国内盤は買いません。
誰が音楽を殺すのか?
付け加えるならば、ここ日本においてはJASRACを付け加えても
いい。印税がきちんと然るべきところに行くように管理する
所だと思っていたが、どうも怪しいね。
いわゆるロック・バーやジャズ喫茶、果てはライブ・ハウスに
JASRACから請求書が届くと言う。「音楽を流したんだろ、カバー曲を
演奏してるだろ、金を払いなさい。」
バカじゃなかろうか。通信カラオケや着メロのダウンロードで
あれば、どの曲が利用されたか明確にわかるので作家に金が
分配されるというのは理解できる。
しかし、誰の曲を流したか、演奏したか明確でないものに
大雑把に請求書を送りつけるとはどういう了見なのだろう。
仮に集まった金はどこへいくのか?。ティム・バックリーや
チャー坊のところに届くのか?届かないだろ?。
集めた金が日本著作権協会に登録してある全ての曲の過去の
売上に頭割りして分配されるのか?違うだろ?
だいたい、社団法人の存在自体邪魔くさい。
管理と言う名の中間搾取・・。

カラオケや着メロといったものを通していい音楽が伝えられるなんて
ことはない。しかし、ロック・バーやライブ・ハウスは
音楽を伝承する機能を持っているのである。そこで知った曲や
アーティストを気にとめて、CDを買うこともあるだろう。
それで充分じゃないか。そういった場を窮地に追い込み、
音楽を知る場を減らしていくことは必ず、文化の衰退に繋がる。

誰が音楽を殺すのか?
解答欄に(社)日本音楽著作権協会と記入して正解。

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