ニック・ドレイクの「BRYTER LAYTER」を気に入らない人は
大抵こう言う。「アレンジが煩すぎてニックの楽曲の良さが殺されている。」と。
フォーク・リバイバリストでも気取るんなら、笑って無視できるが
サイケ者を自称する人の物言いなら、皮肉のひとつも言いたくなる。
「あなたのボブ・ディランのフェイバリット・アルバムは1~4枚目の
どれですか?フィル・オクスなら最初の2枚が好きですか?」
プロテスト・フォーク・シンガーとして吹き込んだアルバムはことごとく
売れず、69年発表の6枚目のこのアルバム・ジャケットでフィルは
自分の墓石を作ってしまった。
「僕の人生がジョークだった頃、
僕は何も知らず、すくすく育った。
僕の人生、そいつが堪らない物になったとき
誇り高くコントロールすることをやめた」
こう歌われる「マイ・ライフ」に代表されるようにこのアルバムは
絶望と虚無に満ちている。自分の人生さえ冗談みたいな物だと
投げやりなフィルの当時が投影されている。アルバムの曲自体は
よく出来たフォーク・ロックの音で、
冒頭に書いたニック・ドレイクのアルバムや、ディランの
同時期の物と比しても何ら遜色は無い。
フェイバリット・トラックは「THE WORLD BEGAN IN EDEN BUT
ENDED IN LOS ANGELS」。ホーンのアレンジも軽快な耳あたりのいい
曲でアメリカの闇を暴く。
翌年「グレイテスト・ヒッツ」という笑えないタイトルの
オリジナル・アルバムを出し、ほとんどの音楽活動を止めてしまう。
アルバム・ジャケットが現実のものとなったのは76年のことであった。
大抵こう言う。「アレンジが煩すぎてニックの楽曲の良さが殺されている。」と。
フォーク・リバイバリストでも気取るんなら、笑って無視できるが
サイケ者を自称する人の物言いなら、皮肉のひとつも言いたくなる。
「あなたのボブ・ディランのフェイバリット・アルバムは1~4枚目の
どれですか?フィル・オクスなら最初の2枚が好きですか?」
プロテスト・フォーク・シンガーとして吹き込んだアルバムはことごとく
売れず、69年発表の6枚目のこのアルバム・ジャケットでフィルは
自分の墓石を作ってしまった。
「僕の人生がジョークだった頃、
僕は何も知らず、すくすく育った。
僕の人生、そいつが堪らない物になったとき
誇り高くコントロールすることをやめた」
こう歌われる「マイ・ライフ」に代表されるようにこのアルバムは
絶望と虚無に満ちている。自分の人生さえ冗談みたいな物だと
投げやりなフィルの当時が投影されている。アルバムの曲自体は
よく出来たフォーク・ロックの音で、
冒頭に書いたニック・ドレイクのアルバムや、ディランの
同時期の物と比しても何ら遜色は無い。
フェイバリット・トラックは「THE WORLD BEGAN IN EDEN BUT
ENDED IN LOS ANGELS」。ホーンのアレンジも軽快な耳あたりのいい
曲でアメリカの闇を暴く。
翌年「グレイテスト・ヒッツ」という笑えないタイトルの
オリジナル・アルバムを出し、ほとんどの音楽活動を止めてしまう。
アルバム・ジャケットが現実のものとなったのは76年のことであった。