HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

甲斐バンド / 英雄と悪漢

2004-11-29 22:48:31 | 日本のロック・ポップス
75年発表の2枚目。
中学生にもなるとそれまで聞いていた歌謡曲以外にも
目がいくようになり、テレビに出ないバンドの曲を
ラジオやレコードで知ることになる。
甲斐バンドは友人の家で初めて聴いたのだが
ちょっとしたショックだった。

ガキにはちょっとハードな歌詞であった。
大いなる勘違いが、そこに含まれているのだが田舎者の私には
「都会で生きるのはこんなにハードなのか、
大人の恋愛はこんなにクールなのか・・・」と思えたのだ。

”東京の冷たい壁にもたれて1メートル君は60センチ
とてもステキさ”・・・この1M60CMというのが
大人の女性を強く意識させた。
「煙草」「酒」「夜汽車」「フランス映画」といったガキには
全く縁遠い言葉の数々が、引っ掛かりまくった。

先に引用した歌は歌詞はルー・リード、曲はゾンビーズの
借り物であることに気が付くにはまだかなりの時間を
待たなければならなかった。
あれもそう、これもそう、という感じで後々、そういった
引用の多くに気が付くが、そんなことは私には
どうでもいい。気が付けば気が付くほど、「洋楽の優れた
聞き手」としての甲斐よしひろがクローズ・アップされる。

演奏は大してうまくない。洋楽の引用というのは簡単だ。
そして甲斐バンドの世界しか知らないで、つまりは
洋楽を聞かないでそこに留まった人たちのことは
余り好きになれない。
しかし、70年代の夜の匂いが確実にここにはある。
それは否定できない。子供の頃聞いておいて良かった音である。

そういえば、1メートル60センチより低い女性とは
つきあったことはなかったなあ。(笑)

コメント (6)
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THE LITTER / DISTORTIONS

2004-11-29 18:09:59 | ROCK
ガレージ・サイケのバンドとして最初に私が想起するバンド、
それがリッターである。67年発表の1ST。
ジャケットの色合い、写真の配置がいいし、タイトルだって
その名の通り歪んでて申し分ない。
日本のG.S.が英米の曲をカバーしたように、アメリカ産の
ガレージ・バンドのアルバムには
英国のビート・バンドのカバーが含まれている場合が多い。

このアルバムも例外でなくザ・フーやクリーム、ヤードバーズ、
スモール・フェイセス、S・デイビス・グループの
カバーが含まれている。
個人的にはザ・フーが2曲カバーされているだけで、
ポイント高いのだが、他のカバーもいい選曲をしている。

オリジナルも負けてはいない。なんといっても
冒頭の「アクション・ウーマン」で鳴り響くファズに
やられるし、曲のメロディーもキャッチーだ。
フーの「恋のピンチヒッター」とメドレーで演奏される
「ザ・マミー」は、まるで前者のカバー曲が
前菜のようにさえ思える迫力のインストである。
キンクスのカバーが収録されていたら文句なしだが
まあ、それはいいだろう。

オリジナルとカバーのバランス、曲の良さという点で
もっと広く聴かれるべきガレージ・バンドである。

(キンクスのカバーは「ウエスト・コースト・ポップ・アート・
エクスペリメンタル・バンド」の1STに極め付けが
収録されているので、そちらをどうぞ。)
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