HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

久保田麻琴 / まちぼうけ

2004-11-15 22:48:13 | 日本のロック・ポップス
73年発表の久保田麻琴の1ST。
ほのぼのとした、フォークである。オクノ修が気に入った人なら
間違いなく好きになるアルバム。
かといってアシッド・フォークなんぞという言葉は似合わない。
ほとんどの曲は久保田の手になるが、時に「えっ?細野晴臣?」
と思う瞬間もある。ということは細野全面参加の
金森幸介のアルバム「箱舟は去って」に近しい部分もあるか?。
松任谷正隆が大きくクレジットされているが
後藤次利のベースや駒沢裕城のスチール・ギターが
より印象的である。

このアルバムでの久保田のプロフィールにはこうある。
”71年春、(アメリカから)帰国後、幻の
ロック・バンド「裸のラリーズ」に参加し、放蕩しつくすが・・・云々”
ラリーズって73年時点でもう幻だったんだ。(笑)
今、このアルバムを探している人の多くは1曲目の「あさの光」が
目当てだろう。ラリーズの水谷孝が詩を提供しているからである。
曲もよく、かわいらしいアレンジも施されている。
が、この1曲で終わるのももったいない話だ。
中にはがっかりする物もあるが、
通して聴けばそれなりの充実感がある。
アナログでいうとB面頭の「まちぼうけ」(フェイバリット!)と
最後の「晩歌」は音羽信の作詞であり、彼の唯一の自主制作盤の
B面の頭と最後がやはりこの詩で、曲が別だと言う。
いつか聞いてみたいものだ。
ジャケットのイラストは「挽歌」をモチーフにしたものと
思われるが、素敵なイラストである。

翌年からは「夕焼け楽団」か・・・。
コメント (2)
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JACK BRUCE / HARMONY ROW

2004-11-15 21:25:09 | ROCK
必殺のB面メドレーといえばビートルズのアビー・ロードを
思い浮かべる人が多いだろう。ではA面は?
日本なら井上陽水の「氷の世界」、大英帝国のロックなら
ジャック・ブルースのこのアルバム「ハーモニー・ロウ」だ。
特にメドレーというわけではないが、短い曲間で繋がれる
冒頭の2曲が実に機能的で美しい。

クリス・スペディング(g)ジョン・マーシャル(ds)と
ジャックの3人が中心になって制作されたのだが、これに
グレアム・ボンド(p)を加えた面子でのスタジオ・ライブを
裏モノで見たことがある。これが驚くほど格好良かった。
演奏されたのはアルバム3曲目の
「YOU BURMED THE TABLES ON ME」。
正直にいえば、私のフェイバリット・ギタリスト
がクリス・スペディングで彼のベスト・プレイがこの曲で
あるというのが私の持論なので、抗えないのである。
イントロからキめのリフを繰り出し、歌に入ってからは
的確にバッキングしてるかと思えば唐突に、苛ついたような
フレーズを挟み込む。空ピッキングを鮮やかに決めたかと
思うと、曲調から外れるスレスレのフレーズがでてくる。
ジャムをそのまま録音したために、本来ならギターか
ピアノのどちらかが「おいしい」ソロを入れそうな
場面でもどちらもスカして大したフレーズを弾かなかったり・・。
3分そこそこでこれほどの表情を見せるギタリストは
そうそういない。

何の話だっけ。そう、ジャック・ブルース。
このアルバムでのピアノはほとんどジャック・ブルースである。
ジャックのピアノ、ギター、ドラムでの一発録りを元に
ダビングを重ねたと言うのは興味深い。ジャックといえば
クリーム時代のあのベース・プレイをまず想起する。
しかし、ジャムでベースでなくピアノをプレイしたことによって
恐ろしく曲の幅が広がり、ワン・パターンにならず
メロディの美しい曲が出来上がった。ジャックがまずピアノに
向かったことがこのアルバムを傑作にしたといえよう。

ジャケットにいる子供達は、たまたまそこにいた子供達で
自分の幼い頃を思い出したジャックが撮影に付き合ってもらった
とのこと。ジャック曰く、
「お礼にちょっとした小遣いをあげたら大喜びだったな。」
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LEONARD COHEN / DEATH OF A LADIES' MAN

2004-11-15 20:43:19 | ROCK
レコ屋に行くとジョン・レノンのアルバムが山積みである。
「ロックンロール」のプロデューサーはフィル・スペクターと
連名(いわくつきの)だったなあと漠然と思ううちに、
このアルバムのことが頭に浮かんだ。

レナード・コーエンのアルバムでは1STの次に、
実はこのアルバムが好きである。ジョン・レノンの
「心の壁、愛の橋」をフィルがプロデュースしたら、
こんな感じかなと常々思っていたので。

コーエンの歌はほとんど仮歌同然の状態で、それを
録り終えると、フィルはコーエンを排除し、スタジオを
占拠しオケ創りに没頭したという。ただでさえ
そんなに名シンガーというほどでもないコーエンの歌は、
更に他のアルバムより劣る。クレジットを見ると笑ってしまうが
相変わらず大勢のレコーディング・メンバーを使い
フィルは自分自身の世界と音を創って
自己満足に浸っていたであろう。
一般的には評価の低いアルバムだが思ったほど
悪くは無いというのが私の意見である。
金と時間をかけて創ったトラックを、軽く歌い飛ばしたと、
逆に見れば痛快ですらある。

このアルバムの歌詞は全編、
性愛に関するといっていいだろう。
コーエンのファンを公言するスザンヌ・ヴェガに訊いてみたい。
「あなたは、このアルバムの歌詞をどう思いますか?」
ああ、私は助平である。(笑)
DON'T GO HOME WITH YOUR HARD-ON!
タイトル曲の「ある女たらしの死」はレノンの「NOBODY LOVES YOU」
に匹敵する名曲ではなかろうか。


アルバム・ジャケットには1STに収録された有名曲「スザンヌ」
その人が写っている。
さてコーエンの両隣の2人の女、どちらがスザンヌでしょう?

コメント (2)
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