HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

DILLINGER / CB200

2004-11-14 22:51:44 | REGGAE
映画「ロッカーズ」のシーンでなぜか印象に残っているのは
プレスされたシングル盤をバイクに乗せて、店に
置きに行くシーンである。
先に紹介したオーガスタ・パブロのアルバムでDeeJayしていた
デリンジャーの76年発表の2枚目。CB200というのは
ジャマイカで人気があったホンダ製バイクのこと。
映画の話を冒頭で書いたのは、このアルバムのジャケットを
眺めているとなぜかそのシーンがフラッシュバック
してくるからである。
このアルバムを語るとき誰もが避けて通れないのが
「COKANE IN MY BRAIN」であろう。
”ナイフ、フォーク、ボトルとコーク、ニューヨークってのは
こう書くんだぜ、俺の頭はコカインまみれ”と強烈に歌われる
このトラックは印象的だ。

DeeJayは、というよりレゲエでは当たり前のことだが
過去のトラックを使い回しする。音を抜いたり足したり、
トラックに喋りを乗っけたり・・・。今年発売された
日本盤CDはライナーが優れていて、元のトラックが
明記されているし、このアーティストのことが簡潔にしかも
的確に紹介されている。もし購入されたら流して聞くだけでなく
ライナーをじっくり読むことをお勧めする。
リー・ペリーに命名されたことなんて初めて知ったのだった。
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AUGUSTUS PABLO / ORIGINAL ROCKERS

2004-11-14 22:31:48 | REGGAE
72年から75年に発表されたシングルを集めたアルバムで
発売は79年。メロディカという、なんだか大して
見栄えもよくない楽器がこれほど、深い音になるとは・・。
正直、「メロディカ?フッ(笑)」という感じで
聴かず嫌いを通した時期があったのだが、猛省を兼ねて
最初に登場となった次第。
寄せ集めであるが、違和感は無い。キング・タビーの
ダブ・ミックスは冴えまくるし、バレット兄弟のリズムも
鉄壁である。「THUNDER CLAP」と題された
ビネガー・ジョーのカバー「AIN'T NO SUNSHINE」で
パブロ自身が演奏するクラビネットには
深いリバーブがかけられ、いかしている。
DJの中のDJ、デリンジャーが参加した「BRACE A BOY」、
ヒュー・マンデルの代表作「AFRICA MUST BE FREE BY 1983」を
ダブにした「PARK LANE SPECIAL」と聞き所だらけである。

パブロにはもっと重要なアルバムがあるが、シングル集ということで
いろいろなアーティストも楽しめるショー・ケースとして
いや、何よりジャケットのパブロのたたずまいと色使いが
気に入ってこれを選んだ。ジャケ買いは大切である。
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SINS OF SATAN / THOU SHALT BOOGIE FOREVER

2004-11-14 19:53:28 | SOUL
ブッダ・レーベルという
とロック者ならラヴィン・スプーンフルを
思い浮かべるだろうし、ソウル・ファンならまずはフューチャーズ
だろう。
76年発表のデトロイトのこのグループはブッダに1枚だけ
アルバムを残した。ジャケットもそうなのだけど、冒頭の語りや
音楽内容からいってパーラメントを想起せずにはいられない。
ネチネチと弾きまくるギターなんかは、エディ・ヘイゼルだと
言えば信じる人もいるかもしれない位である。
ファンクやディスコ・ミュージックのファンに隠れた人気盤との
ことだが、意外とスローな曲のほうがよかったりする。
スロー・ナンバー「オータム」という曲がお気に入りなのだが
ライナーによると作者はエドガー・ウィンター・グループの
ベーシスト、ダン・ハートマンとのこと。

76年のデトロイトといえば、前年にキッスがライブ盤を出し、
この年にはその名も「デトロイト・ロック・シティ」をリリースし
盛り上がっていたであろう。その影(?)でこんな
アルバムが出ていたことを覚えておいて損はないだろう。
 91年に日本で世界初CD化されてとっくに廃盤でジャケットを
見る機会も少ないと思うので紹介してみた。
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SLY&THE FAMILY STONE / FRESH

2004-11-14 19:18:03 | SOUL
初めて動くスライを見たのは御多分に漏れず
映画「ウッドストック」であった。ザ・フーやジミ・ヘンドリックス
目当てのガキに動くスライは強烈で、変な生き物を見たという
感じが頭からしばらく離れなかった。

スライ&ザ・ファミリー・ストーンの代表作
が一般的に69年発表の「スタンド!」か71年の「暴動」と
言われることに異論は無い。ロック・ファンなら68年の
「ライフ」も気に入るはずだ。
で、73年のこの「フレッシュ」である。
ファミリー・ストーンの名が表すように、連帯とピースを
掲げてきたスライも自らの悪癖もあって疲労してきていた。
同時期の「ソウル・トレイン」や「ドン・カシュナーズ・
ロック・コンサート」で見られるスライに躍動感は無く、
あるのは重く沈んだリズムだけであった。
このアルバムがCD化された時、2種のマスターが使われた。
一つはLP時代と同じ物、もう一つはアルバム完成前の
ものであろうかミックスとピッチが
違う全く別物といっていい物であった。
オリジナルとして世に出た物は、発掘CDを聴くと
リズムを強調するためにピッチをいじり倒していることがわかる。
リズム・ボックスの無機質さを逆手にとってファンクネスを
生み出す達人であった、スライの面目躍如たるフェーダーさばきが
目に浮かぶ。
そんなこともあって今回はこのアルバムを選んだ。
2004年の現行CDがどのマスターかは知らないのだが、聞き比べる
価値はある。
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友部正人 / 遠い国の日時計

2004-11-14 11:04:50 | 日本のロック・ポップス
友部正人のレコード・デビューは72年の発表の
「大阪へやってきた」である。
72年といえば、自主制作の「春一番72」という10枚組があるが
各アーティストがLPの片面に収録されているが友部だけが
LP両面にわたって収録されている。デビュー時から
別格だったのだ。「にんじん」「誰もぼくの絵を描けないだろう」と
名盤の枚挙にいとまが無いし、「72~74」という内容最高の
ファンが自主制作した激レアなブツもある。

だが、私の一番のお気に入りは92年発表のこのアルバムである。
日本語を母国語にする以上、詩人としてのボブ・ディランの
歌詞より友部正人の歌が時にリアルに響くことがある。
バックを務めるのは最強の3ピース・バンド、グルーヴァーズ。
ヤスチカ、BOBのファットなリズム・セクション、ロケット・マツの
人懐こいキーボード、その名の通りグルーヴしまくりで、歌メロを
ソロに持っていく手法も鮮やかな藤井一彦。
そこに友部のイマジネーションあふれる歌が、気持ちよく
乗っかる様はどうだろう。ロックだフォークだといった
つまらない枠はいとも簡単にとっぱらわれ、私の耳を凌駕する。
もっともCDの帯には「ロックアルバムをつくりましたうれしい。」
と、あるけれど。

夜汽車か夜行バスに乗って遠くに出かける時、このアルバムを
聴きながら座席に身を沈めて欲しい。今ある幸せと、
欠けている何かについて考えながら・・・。
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葡萄畑 / 葡萄畑

2004-11-14 10:15:13 | 日本のロック・ポップス
1STと2NDでこれほど作風が変わったバンドはないだろう。
そんなバンドの74年発表の1枚目。矢吹申彦の手による
ジャケットが内容を雄弁に物語る。
スワンプ、カントリーといったアメリカ音楽と
ブリティッシュ・フォークの両方への憧憬を、
素直に形にしたサウンドは、日本では先駆的であった。
アイドル・ワイルド・サウス、オレンジ・カウンティ・ブラザーズ
のレコード・デビューは76年のことである。

洋楽への憧れがそこかしこに見られ、あるときはライ・クーダーだったり
ジェシ・エド・デイビスだったりするが、ザ・バンドからの影響が
一番大きい。「夕飯は御仕舞」のギター・ピッキングの
ニュアンスはロビー・ロバートソンそのもである。マンドリンの
使用頻度が高いのもポイントか。

このあとバンドは全く趣の違った2NDを発表。
10CCや、オーケストラ・ルナ、セイラー、デフ・スクールといった
ひねくれたポップスを私自身聞いていたにもかかわらず、
2NDにはついて行けず、今手元に無い。
「葡萄畑も大滝詠一もナックル・ボールなんて
投げるなよ、男だったらスライダーだろ」とT・レックス・マニアの
私は訳のわからない理由で、悦に入っていたのだから
恥ずかしい次第。いずれちゃんと聴きなおしたいと思う。

それにしてもこの1ST。しょぼくれた歌詞と田舎っぽい音が
絶妙に混ざり合った名盤と、またも言い切ってしまおう。
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伊藤銀次 / DEADLY DRIVE

2004-11-14 09:46:18 | 日本のロック・ポップス
79年の1STソロ・アルバム。ごまのはえ、ココナツ・バンク、
シュガーベイブ等での活動を経て発表された。これ以降のソロ・アルバムは
録音機材の発展の弊害(!)もあって余り聴くべきところはないが
これは傑作。ナイアガラ・トライアングルVOL.1で
OLD BRITISH ROCKERのミドル・ネームを頂戴したのにふさわしく
フレディ&ザ・ドリーマーズのカバーをバッチリ、キめている。
シュガー・ベイブのライブ定番曲であったものの、スタジオ録音が
発表されなかった「こぬか雨」が大貫妙子や上原裕といった、
ゆかりのメンバーが参加して録音されたのも嬉しいところである。

フェイバリット・トラックは「あの時はどしゃぶり」。
斎藤ノブのリズム・アレンジが絶妙のポップス。フルートの
配置や銀次のギター・ソロも冴える。新曲としてリリースしても
通じるであろう、全く古びていないこの曲、
KINKI KIDSに是非ともカバーしてもらいたい。

全8曲中インストが3曲、カバー1曲。それ以外の4曲中、
3曲の歌詞に「雨」がでてくる。
雨の日は車の運転はしたくない。
家で好きなレコードを聞いていたい、そんな時に
なんとなく手が出る1枚。
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