HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

JACK BRUCE / HARMONY ROW

2004-11-15 21:25:09 | ROCK
必殺のB面メドレーといえばビートルズのアビー・ロードを
思い浮かべる人が多いだろう。ではA面は?
日本なら井上陽水の「氷の世界」、大英帝国のロックなら
ジャック・ブルースのこのアルバム「ハーモニー・ロウ」だ。
特にメドレーというわけではないが、短い曲間で繋がれる
冒頭の2曲が実に機能的で美しい。

クリス・スペディング(g)ジョン・マーシャル(ds)と
ジャックの3人が中心になって制作されたのだが、これに
グレアム・ボンド(p)を加えた面子でのスタジオ・ライブを
裏モノで見たことがある。これが驚くほど格好良かった。
演奏されたのはアルバム3曲目の
「YOU BURMED THE TABLES ON ME」。
正直にいえば、私のフェイバリット・ギタリスト
がクリス・スペディングで彼のベスト・プレイがこの曲で
あるというのが私の持論なので、抗えないのである。
イントロからキめのリフを繰り出し、歌に入ってからは
的確にバッキングしてるかと思えば唐突に、苛ついたような
フレーズを挟み込む。空ピッキングを鮮やかに決めたかと
思うと、曲調から外れるスレスレのフレーズがでてくる。
ジャムをそのまま録音したために、本来ならギターか
ピアノのどちらかが「おいしい」ソロを入れそうな
場面でもどちらもスカして大したフレーズを弾かなかったり・・。
3分そこそこでこれほどの表情を見せるギタリストは
そうそういない。

何の話だっけ。そう、ジャック・ブルース。
このアルバムでのピアノはほとんどジャック・ブルースである。
ジャックのピアノ、ギター、ドラムでの一発録りを元に
ダビングを重ねたと言うのは興味深い。ジャックといえば
クリーム時代のあのベース・プレイをまず想起する。
しかし、ジャムでベースでなくピアノをプレイしたことによって
恐ろしく曲の幅が広がり、ワン・パターンにならず
メロディの美しい曲が出来上がった。ジャックがまずピアノに
向かったことがこのアルバムを傑作にしたといえよう。

ジャケットにいる子供達は、たまたまそこにいた子供達で
自分の幼い頃を思い出したジャックが撮影に付き合ってもらった
とのこと。ジャック曰く、
「お礼にちょっとした小遣いをあげたら大喜びだったな。」
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