プン吉 punkichi の台所★海外遠征大好きな、完全禁煙南国料理店「島結」は飛ぶ!

台所は料理するだけの場所でなくいろんなことを思う場所♪南国料理・泡盛の店「島結」からのお知らせもあるよ

New Year

2007年01月09日 | 毒バリ
ブログを呼んでくださっている皆さま

あけましておめでとうございます


今年も少しずつですが、バリ生活時代の出来事
日々のボヤキなど書き続けていく所存でございます
よろしくお願いいたしまぁ~す


私はおせち料理なんてあんまり興味がないというか、それほど美味しいものだとは思えないというか、なんというか…
ただ保存食という考え方で見ると、とても優れた調理方法であることは確か

おせち料理の起源は弥生時代の収穫祭のような収穫のお祝いからはじまったとか
節句ごとに食べていた料理を

お正月=おせち料理

的な形としたのは江戸後期で、お重に詰めるようになったのもこの時代
もっとも最初は今のようにぎちぎちに詰めたりはしていなかったみたいだけど

お正月をバリで過ごした時は、普段どうでもいいと思っていたおせちも、なんとなく恋しくなったから不思議
今思えば、実際はおせちが恋しいというよりは

純和食が食べたい!

的な思いがこみ上げてきただけだったんじゃないかと…


実際のところ半そで短パン、雨季真っ只中で雨ザーザー、外ではガムランが演奏されてるんじゃ正月気分というのは難しい

バリヒンズーでは彼らの正月っていうのがあるから、通常のニューイヤーなんかどーだっていいって感じ

その正月あたるのが

ニュピ


この日は悪霊がバリを通過するから

一歩も外に出ちゃいけない

バリの暦によって決められるニュピは、毎年変わるので旅行者は注意!
今年は3月19日で、この日はトランジット以外の飛行機の運航は禁止でほぼ閉鎖状態、火や電気も使用禁止、だからレストランも営業捨てる店はなし
バリ人は断食と瞑想に専念して静かにお家の中で過ごす一日って事になっている

人はもちろん、車も走らないし、音だらけの生活に慣れた私達にとっては

こりゃビックリの1日

なのよ

ニュピの3日前にムラスティっていう儀式があって、村ごとにまとまって楽器を鳴らしながら海へと行進していって、神様のお浄めの儀式をする

翌日は前夜祭

オゴオゴ

これは、地獄の神様に大掃除された悪霊が地上にはい出て来るにニュピに備えて、村対抗って感じで巨大な悪魔人形を作って、夜になると担いで通りを練り歩いて(せこいねぶた祭りって感じ?)地上から出た悪霊を追い払う!
新年前日の大晦日、大騒ぎ~みんな楽しそう

ニュピ当日
朝6時くらいから、翌日の朝までは一切の外出禁止
大きな高級ホテルの中なら、レストランやプール利用も可能
でもホテルからは出ちゃ絶対に駄目

私達もお店はお休みなので、ゆっくり昼まで寝坊してから、自分達の小さなキッチンでランチを作って一日中だらだらとNHKの海外放送を小さな音で見る
陽も落ちた頃になるとなにやら内線電話…

「カーテンちゃんと閉めてください!光が漏れてます!」

電気は消してたんだけど、テレビの光が漏れてたみたい
遮光カーテンにしとけってーの!

実際に音がないってどんなものだと思う?

普段あんなにうるさいバイクの音や、どこからか流れてくる民族音楽も全く聞こえない…

静寂のみ

自然は発する波の音や動物の鳴き声以外の人工的な音や光は一切ないなんて、山奥でキャンプでもしないことには、日本じゃ難しい
しかも普段自分達が生活している場所がそうなるんだから、これまた不思議

あー私の好奇心がムズムズしだした!
暗闇に慣れてきた目を凝らしながらそっと廊下を歩いて外に出てみると…

ありゃ?

ホテルのスタッフ達が外に出てるじゃん!
口に手を当てて喋っちゃ駄目ってサインを送ってるけど、目は笑ってる

あとで聞いた話だけど、モシモシ社長の滞在していた小さな村では、若者がろうそくの火を片手に集まって、賭け事に興じていたらしい
まるで修学旅行だね

バリ人でもやっぱり落ちつかないんだ

通りを見ると何もない
誰もいない
犬一匹歩いていない
普段アホっぽい顔して道路に寝そべって動かない犬達も、この異様な雰囲気は察知できるんかな…

ダンナがふとつぶやいた

「阪神大震災のときってこれぐらい静かやった」

そうか、あの時は電気も車も電車もストップだ

「ヘリコプターの音だけが遠くのほうから聞こえてたなぁ」

現代人にとって静寂は恐怖と紙一重



短期の旅行にニュピを避ける人は多いけれど、滞在期間が1週間ぐらいあるなら、ぜひこのニュピを体験してみたらどう?

前日のバカ騒ぎから、一転して静寂に変わるなんて体験はこんな時でなきゃできないかもしれないよ