プン吉 punkichi の台所★海外遠征大好きな、完全禁煙南国料理店「島結」は飛ぶ!

台所は料理するだけの場所でなくいろんなことを思う場所♪南国料理・泡盛の店「島結」からのお知らせもあるよ

クトゥさんのシアワセ

2006年07月14日 | 毒バリ
「何か欲しいものはある?」

「ダイジョーブー、今日ここに来てくれただけで十分です」

私たちはうかつだった…他のスタッフの前で聞くんじゃなかった
バリ人はお金やものをねだる行為を、日本人以上に恥ずかしいことと思ってる
まして仲間の前で言えるわけが無い

翌日エルナに言われるまで、気がつかなかったんだよね

情けない…

でもそのおかげで良いことに気づく

お金の価値に換算できないもの、換算しようとしてもわからないものをあげればいいんだ!

万が一に備えて自分のために日本で処方してもらった化膿止めの傷薬と、顔用低刺激日焼止めクリームを沢山持ってきていたんだった!

私の両親は病院勤務だったから薬に関する知識があり、私も自分が使っている薬に関してはそれなりの知識はあるからクトゥさんにも説明できる

日焼止めはバリでは高価なもので、顔専用のデリケートな化粧品風のものはなかなか売ってない

傷痕は日に当たると色素沈着しちゃうことがある

以前足のスネに大きな傷を負ったとき、医者に傷が治っても絶対に日光に当てないようにって言われて、バンドエイドや包帯でで隠してた
傷痕が薄くなるまでは日焼止めを塗るように心がけていたら、目立つような傷痕にはならなかったもんね

日差しが強い常夏の島、クトゥさんも日焼止めを塗らなかったら頬に傷痕が残ってしまうかもしれない

「軟膏と日焼止め」

かなりポイントの高いお見舞い品
これなら他のスタッフ達が見ても、クトゥさんがねだるはずが無いものだってことがわかるし、羨ましがることもねたむこともない

私の言うとおりに薬を塗り、日焼止めクリームを使って毎日のケアを怠らなかったクトゥさん…
数ヵ月後

傷痕は残らず、完治

怪我してすぐ、別人のようになってしまったクトゥさんを見て、彼女の母親は気絶してしまったんだって

「今だから言えるけれど驚いたわ~娘の顔はどうなっちゃうんだろう!?って」

でももう大丈夫

つきあっている彼は、クトゥさんをを気遣って毎日のようにお見舞いに来ていたというし、仕事に復帰してからも、バイクの運転を怖がる彼女の送り迎えを続けてた

「本当にクトゥさんを大切に思ってるんだね」

クトゥさんは恥ずかしそうに微笑んで、そして本当に嬉しそう

今彼女は、その時の彼と結婚して子供も生まれたんだって!

クトゥさんは世話焼きで、料理が上手で、てきぱきしててきっといい「おかあちゃん」になると思うよ

本当に…本当に良かったね、クトゥさん