9月秀山祭の昼の部は千穐楽で鑑賞。遅くなって「舌出三番叟」は三番叟の舌出し場面に間に合わず。新歌昇の千歳は熱演している。染五郎の三番叟はどうにも人形が踊っているようで滑稽味が足りないなぁ。まぁ、「寺子屋」が一番の眼目の演目なのでよしということで(^^ゞ
【恋飛脚大和往来 「新口村」】
2007年10月歌舞伎座での藤十郎の「恋飛脚大和往来」の記事はこちら
今回の主な配役は以下の通り。
忠兵衛=藤十郎 梅川=福助
忠三郎女房=吉弥 孫右衛門=歌六
とにかくも、藤十郎の忠兵衛の若々しいことよ!忠三郎の女房に留守を頼まれて梅川と二人でいるところに孫右衛門がさしかかる。鼻緒を切った孫右衛門を梅川が助け、素性を明かさずにやりとりが始まり、その二人の会話を連子窓の向こうで聞いている藤十郎の芝居に目が釘付けになった。播磨屋一門になっている歌六が初役の孫右衛門を熱演。
【勢獅子(きおいじし)】
以下、「歌舞伎美人」から今回の配役とみどころを引用。
鳶頭鶴吉=梅玉 鳶頭亀吉=松緑
鳶頭雄吉=種太郎改め歌昇
鳶頭=松江、亀寿、鳶頭、種之助
手古舞=米吉、隼人、歌江
今日は江戸三大祭のひとつ、日枝神社の山王祭。町内の御神酒所へ、鳶頭をはじめ、手古舞、鳶の者たちが勢ぞろいします。ほろ酔い気分で、曽我兄弟の仇討の物語や、江戸前の威勢のいい踊りで、皆を盛り上げます。やがて獅子舞がやって来て、獅子の狂いを披露し、祭り気分もそのままに一同揃って、賑やかに舞い納めるのでした。江戸の風俗を織り込み、粋でいなせな常磐津の舞踊をお楽しみ下さい。」
こちらのブログで以前「勢獅子」について書いたのは雀右衛門の芸者お京を出迎えるという趣向のものだった(2006年12月歌舞伎座「勢獅子」の記事)。その時の鳶頭の鶴吉・亀吉も同じ梅玉・松緑だった。今回は新歌昇の襲名披露の趣向になっていて、獅子舞の頭を新歌昇が松緑が後ろで組んでいる。こうやって先輩から後輩へと芸が継承していくのかと納得。
播磨屋一門となっている種之助、米吉も出ているが、歌江が元気に手古舞で出ているのが嬉しい。
「寺子屋」でしんみりしたところを「勢獅子」で明るい気分で打ち出される。
冒頭の写真は秀山祭のチラシ画像。最後に「寺子屋」の感想を続けて書いて締めくくる。
9/17秀山祭夜の部①「車引」の感想
9/17秀山祭夜の部②「沓手鳥孤城落月」、「石川五右衛門」の感想
9/17秀山祭夜の部③「口上」又五郎・歌昇襲名について考える